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椅子などの脚にカバーを付けてもいい(画像はイメージ)

ーー周囲から聞こえる騒音はどうすればいい?

集合住宅でもできる対策としては、このような方法があります。ただ、建物を伝わった固体音は部屋の全体から聞こえてくるので、効果を感じられないこともあるかもしれません。

(1)窓に防音カーテンを設置→外からの話し声などを軽減できる
(2)窓に防音ボードを設置したり、二重窓に施工→外からの自動車や電車の音を軽減できる
(3)壁に防音パネルを設置→隣接する壁から伝わる音を軽減できる

固体音は遠くの部屋にまで伝わる(提供:ピアリビング)

ーーこの対策として簡単にできるものはある?

隣に隣接する壁際に本棚や背の高い家具を配置すると、緩衝の役割をして聞こえる音を軽減できます。その際、背面に厚手のクッションを挟むと吸音材の役割をしてくれるので、さらに効果が高まるでしょう。また、家具が少ない状態だと音が反響して大きく聞こえるので、ソファーやラグを敷いたり、カーテンを付けることも軽減につながります。

本棚などは音を緩衝してくれる(画像はイメージ)

住む場所でも工夫はできる

ーー住居を選ぶときの注意点はある?

建物の構造は大きく、(1)戸建て住宅に多い「木造」、(2)小さなアパートに多い「鉄骨造・軽量鉄骨造」、(3)マンションに多い「鉄筋コンクリート造」に分けられます。この中で最も防音性が高いのは鉄筋コンクリート造ですが、集合住宅だとコンクリートが音を伝える媒体となり、足音などの固体音が伝わりやすいので注意も必要です。上下階でのトラブルも多いので、問題を避けたいのであれば、1階の角部屋を選ぶのがお勧めです。


ーー騒音に悩む人にアドバイスを。

防音対策では工事をイメージされる人がいるかと思いますが、防音の知識を身につけておくことでトラブルを避けられるケースはあります。日頃から騒音を出さない意識だったり、手軽にできる対策から始めることをおすすめします。トラブルに発展させないため、隣や上下階に対して思いやりを持ち、信頼関係を築くことも大切でしょう。

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集合住宅では特に、壁や床を介した固体音に注意する必要がありそうだ。音の発生源にカバーやクッションを付けるだけでも改善できることがあるそうなので、心当たりがある人は部屋の環境を見直してみてもいいかもしれない。