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 しかし、家族5人での幸せなひとときもあったようだ。息子が大翔くんの同級生だったという女性が、こんなエピソードを明かしてくれた。

「2020年11月だったと思います。大翔くんが弟か妹の誕生日で『ハンバーグを食べに行く』と嬉しそうに話していたと息子から聞きました。放課後の児童会に私が息子を迎えに行くとき、大翔くんはいつも残っていましたが、元気に『また明日ね』と手を振ってくれました。かわいい子でした」

離婚後、大翔くんへの虐待が始まった

 しかし田中容疑者はA子さんと離婚。A子さんは1人で家を出ている。別のA子さんを知る人物はこう証言した。

「A子さんは知人らに『泊めてほしい』『金を貸してくれ』と連絡をしたようですが、断られることのほうが多かったと聞きました。彼女は酒に酔って喧嘩することも多かったんですよ。友人と言える存在はほとんどいなかったはずですから、その後どこへ行ったのか……。A子さんは母子家庭に育っていて母親は存命だったはずなので、実家に身を寄せたのかもしれませんね」(前出・A子さんを知る人物)

 そして田中容疑者は幼い子供3人を引き取り、家族4人での生活を始めた。しかしすぐに大翔くんへの虐待が始まる。

田中容疑者の自宅 ©文藝春秋

「捜査関係者によると、田中容疑者は養子である大翔くんにも、実子同様の愛情を注ごうとしていたようです。しかし1人で幼子3人の面倒を見ることは簡単なことではなく、子育てに悩んだ田中容疑者が『子供がご飯を食べない、どうしたらいいか』などと田川児童相談所へ相談しにも行っています。

 2月8日には、田中容疑者が『(大翔君が)ジャングルジムのような所から落ちて腰を打った』と小学校に電話。虐待を疑った担任と校長が大翔くんの体を確認しましたが、傷などがなかったようです。この時、児相も駆けつけているのですが、大翔くんは自ら『ジャングルジムから落ちた』と説明したため問題化しませんでした。この頃にはすでに大翔くんは学校を休みがちでした」(前出・大手紙社会部記者)

田中容疑者らが使用していた子供用品 ©文藝春秋

 3月1日に開かれた市の記者会見では、虐待のリスクから、市が田中容疑者に電話や面談で100回以上連絡を取り合っていたことも明かされている。しかし、前出の近隣の高齢男性はこう憤った。

「本当に100回も接触していたのか、何度も警察沙汰の喧嘩をしていたことをちゃんと理解していたのか。近隣の住民に児相から話を聞かれた人なんていませんよ。対応がまずかったことを隠しているのではないか」

 田中容疑者は、実子2人を殺害したホテルの客室に「自分が全部悪い」「3人一緒に死ぬ」といった内容の遺書を残していたという。

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