東京オリンピック開催まであと1ヶ月となる6月23日、東京都庁前にはオリンピック中止を求める抗議デモ参加者が集まっていた。

6月23日、東京都庁前でオリンピック中止デモが開催された

 ざっと見る限り都庁前には200人以上は集まっているだろうか。ほとんどの人が「オリンピック反対」のビラを掲げているが、中には原発再稼働反対や戦争反対などののぼりがあげられており、いまいち主張がまとまってない。

 道の反対側では“コロナはただの風邪”と主張する国民主権党がワクチンは危険だと訴える、お経のようなアナウンスをひたすら垂れ流し、党の代表・平塚正幸氏が「オリンピックやりましょうよ!」とデモ隊を煽っていた。その煽りに対し、デモ隊は「帰れ!」などと応戦し、「車道に出ないでください!」と交通整理を行う警察官たちの声が入り混じり、その周りを公安警察が遠巻きに監視するという、なんだかカオスな空間になっていた。

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シュプレヒコールをあげるデモ隊

 デモ隊は新宿中央公園脇を迂回し、都庁前を通り新宿駅南口を周りアルタ前に行進した。

 行進の途中では国民主権党の街宣カーが先回りしてシュプレヒコールにかぶせるようにスピーカーから例のお経のようなアナウンスを流すという、カオスな空間が通り過ぎるさまを道行く人は眺めていた。

 アルタ前にデモ隊が到着すると再びアルタ前に停めた国民主権党の街宣カーから平塚正幸氏が「こんなに密になってデモができるんです! オリンピックやりましょうよ!」との呼びかけに「レイシスト右翼帰れ!」「陰謀論者!」とデモ隊は叫び返し、子供の喧嘩のようなやり取りを繰り返していた。

アルタ前でデモ隊を煽る国民主権党

 アルタ前で待ち合わせをしているのだろうか、一連のやり取りの最後のほうを見ていた若い女性はオリンピック開催の実感として、

「オリンピックはやるんでしょうけど、観客を制限したりしているので中途半端になるんじゃないですかねー」

 と話してくれた。アルタ前の騒ぎに関しては、

「いろんな考えの人がいるなーって見てました」

 と、さらっとした感想を答えてくれた。

それでも煽ることをやめない国民主権党と遠巻きに見物する人たち

選手村、交通規制に運営スタッフ…開催準備が進む臨海副都心

 オリンピック開催まで1ヶ月、都民のオリンピック開催への実感を確かめるためにオリンピック関連施設へ足を伸ばしてみることにした。

選手村へつながる豊洲大橋は交通規制がかけられていた

 多くの競技会場が建設、設営された東京臨海副都心。選手村やプレスセンターをはじめ多くの大会関係者が集まる場所になる。ひとまず選手村でも見に行こうと、「ゆりかもめ」の市場前駅から向かったところ、選手村へつながる豊洲大橋は交通規制が行われていた。反対側の勝どきから向かおうとしたが、そこもやはり規制がかかり近くで見ることは叶わなかった。選手としても日本を満喫したいだろうが、オリンピック期間中は選手村に隔離されることとなる。