「大谷は80%はピッチャー」と言ってきたけれど…
「俺はずっと『大谷は80%はピッチャーだ』と言ってきたけど、今は逆だな。バッターとしてのほうがいいわな。『張本さん、昔と言ってることが違うじゃないかっ!』って言われるかもわからんけど、そりゃ全然違うよ。バッターとして非常に状態がいいから。22号のホームラン(日本時間6月20日)をレフトスタンドへ打ったときに、スイングをずっと見ていたら、これは誰が教えたのか、自分で作ったのか、バッティングに“間”ができていた。巨人の岡本(和真)や、ほかの好打者と言われるバッターたちは球を探しながら打ちに行っているから、甘い球しか打てない。ところが大谷は待ちながら打っているから、球を捕えられる。ちなみに日本で“間”があるバッタ―は1人しかいない。それはオリックスの吉田(正尚)。この選手くらいだな。
例えば、とんぼを獲るときを考えてみなよ。動きながら獲るのと、じっとしながら獲るのとでは、獲れる確率が全然違うだろ。大谷の去年と一昨年のバッティングフォームを見てみると、全然違うから。昨年までは右足をぴょんと上げて打っていたけど、足を上げるというのは非常にタイミングが難しいんですよ。大谷はそのバッティングフォームが合っていなかったんだけど、今年は右足を上げるのをやめた。それが良い方に出ているから、今の形でいくとホームラン王? いくかもわからんぞ。だからこの活躍はうれしくてしょうがないわ(笑)」
2018年の手術で「フォームが小さくなった」?
一方で、これまで張本氏が絶賛していた大谷の投手としての今シーズンの成績は、12試合に登板して3勝1敗。防御率3.60と苦戦している。
「前はピッチャー大谷も100年に1人だと言ってきたけども、2018年に右肘の手術をしたじゃないですか。それ以降、振りかぶったときのフォームが小さくなっている。昔はもっと大きく振りかぶっていたんだけど、いまは動きが小さくなってしまっているから、3勝しかできていないんじゃないの。ピッチャーは故障が非常に多いし、登板間隔も空けなくてはならないから、今はバッターのほうがいいかもわからんな。ピッチャーとしてはちょっと下り坂気味だけど、バッターとしては俺の想像を超えている」