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外部の支援と接続が必要なセックスワーク

 セックスワーカーを取り巻く議論に、現場のプレイヤーの持つ矜持に対する理解やリスペクトが欠けては意味がない。搾取や被害者像ばかりをピックアップしてセックスワーク全体を「不適切なもの」「いかがわしい産業」とすることが、外部支援と現場との対立や当事者の支援拒否を招くのは本末転倒だし、「当事者感覚不在の議論はむしろ有害」。

 前回はそんな苦言含みの寄稿をしたが、実は僕自身は、セックスワーカーの一部は外部の支援と接続する道をもっと開拓すべきだと考えている。

 それは、貧困ゆえに「やむを得ずセックスワーク」のケースは間違いなく存在するし、当事者によっては働くことがすなわち暴力被害に等しいケースだってあるから。けれど最大の理由は、セックスワークには「その矜持と心身の健康を維持していられる時間」の大きな個人差や、そもそも矜持を得られるものと得られない者の格差があるから。中でも性風俗店ではなく援デリのような「管理売春」ではその傾向が極めて顕著だからだ。

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セックスワークとはいえ、性風俗と管理売春ではかなり違う

「この世界じゃ、風俗はプロ、売春は素人なんで」

 これはかつて取材協力者だった大手デリヘルチェーンの店長に投げかけられた言葉だったが、『アンダーズ〈里奈の物語〉』作中でも、主人公の里奈が居候先の先輩である実鈴さん(ソープ嬢)から、「この際言うけど、だいたい援デリなんてまともじゃねえよ」という言葉を投げかけられるシーンがある。

『アンダーズ〈里奈の物語〉』第9話より ©文藝春秋

 性風俗と管理売春は、同じセックスワークのカテゴリに入るようで、かなり違う世界だ。性風俗業界の方々からすれば、管理売春を「ワーク」に含めることにも、抵抗があるかもしれない。

 前段に「ことに援デリは矜持と心身の健康を維持しづらい」と書いたが、その背景を理解するために、少々込み入った話にお付き合いいただきたい。

 まず、ほとんど語られることすらないが、日本の管理売春にも、大きく分けて3種類がある。