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「私にはギャグ漫画を描く才能はないと、だいぶ前に諦めています」 『女の園の星』の和山やまが“半径3メートル以内の笑い”を描くわけ

和山やまさんインタビュー#1

2021/07/16
note

イジメは描かない、ネガティブな言葉は使わない

――ご自身が思い描く理想の世界を中高生の日常を舞台に描いているとお聞きしました。どんな部分に一番思いを込められたのでしょうか。

和山 特に『女の園の星』では、イジメを描かないというのもそうですが、生徒たちのセリフで「キモイ」「ウザイ」というようなネガティブな言葉は使わないように意識しています。

 あと、悪意を持って誰かを傷つけようという人を描かない、というのも気をつけています。「100%善人」という人間は逆に不自然だと思うので、少しの毒は入れるようにしていますが、「こんな人が近くにいたらいいよね」という人ばかりの理想の世界をあえて描くようにしました。

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©️iStock.com

――SNSでも「こういう学校だったら通いたい」という投稿が多いと聞きました。ご自身の高校時代の経験なども盛り込んでおられるのでしょうか。

和山 私自身は共学に通っていたので、具体的なエピソードを漫画に入れているというよりも、高校生当時の空気感を思い出しながら描いている感じです。次の日になったら忘れているような話しかしていなかったな、とか(笑)。『女の園の星』は、以前から教師ものを描いてみたいと伝えていた担当編集さんが女子校出身というのを聞いて「それいいね」という感じで決まったんです。同性だけの環境が楽しいと思う人もいれば、そうではない人もいると思いますが、自分で描きながら「女子だけの世界も楽しそうだな」と思うので、そんな世界を一緒に楽しんでもらえたらうれしいです。

(取材・構成:相澤洋美)

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