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 尹前検事総長は「国民の力」という“色”がついて支持率が落ちることを怖れて入党を延ばしていると囁かれており、その去就が注目される。

 一方、李知事はYouTubeでの非対面会見という方式をとった。会見の内容は現職知事なだけあって政策中心の内容となった。

 最悪といわれる日韓関係についての見解は真逆に分かれた。

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与党の支持率低下の原因

 尹前検事総長は「外交は実用主義、実事求是、現実主義に立ったものでなければならないが、理念に偏った竹槍歌を歌ってここまで(最悪といわれる日韓関係まで)きた」と現政権の政策に問題があると批判し、「元徴用工、元慰安婦問題、韓日の安保上での協力、経済・貿易問題などの懸案事項はすべてをひとつのテーブルにのせたグランドバーゲン式(一括方式)でアプローチすべきだ」と語った。

 竹槍歌は、曺元法相が好んで使った言葉で、与党の支持率を低下させたひとつの原因となった曺元法相の名を戦略的に使った国内向けの発言とみられている。

李在明知事 ©getty

 対して李知事は「日本国民に対して恨みや反感はないが、問題は保守、右翼の政治集団だ」と話し、日韓で懸案事項となっている元徴用工や元慰安婦問題については「許すという行為は被害者が行うもの」と日韓の関係悪化の原因は日本側にあるとした。過去の発言も含めて見ると、仮に、李知事が次期大統領となれば、日韓関係はさらにこじれる可能性が高い。

 また、「大韓民国は親日勢力と米占領軍が合作した」と発言したが、これについては与・野党から非難の声が飛んだ。尹前検事総長も「歴史歪曲だ」と応戦。しかし、中道系紙・韓国日報が「未来について話すべき大統領選挙で消耗的な“占領軍”論争」(7月5日)と書いたように、「こういう論争に20・30代も含め中道層は辟易としている。今までとは違う大統領選挙が見たい」(別の中道系紙記者)という声も出ている。

 第一の関門は大統領選挙へ正式に出馬するための与・野党の各予備選挙だ。