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「文在寅の天敵」に「韓国のトランプ」も登場…それでも韓国の若者が“萎えている”ワケ《韓国大統領選》

2021/07/09
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夫人を巡るスキャンダル

 尹前検事総長は政治家としての力量が検証済みでもなく、出馬宣言前には尹前検事総長を巡る不都合な真実を集めた「Xファイル」が存在すると、ひと騒動あった。夫人を巡るスキャンダルも出始めている。夫人が過去、クラブで「ジュリー」という源氏名で働いていたという話を聞いたことがあると秋前法相が指摘し、与党関係者の一部が問題視した。一方の夫人は完全に否定している。

 7月2日には特定経済犯罪の疑いで係争中だった夫人の実母が1審で懲役3年の実刑となり法廷で拘束され波紋が広がっている。また、野党側から今後支持率が上がる新たな有力候補者が出る可能性も十分ある。先日、任期半ばで辞任した崔在亨前監査院長が政界入りを宣言しており、大統領選挙出馬も取り沙汰されている。

 与党の主流派「親文派」(文大統領を熱烈に支持する派)ではない李知事は、予備選を勝ち抜くためには与党内の親文派を取り込まなければならないが、秋美愛前法相を除いた6人の候補者は反李在明で包囲網を組んでおり、さながら“ 李在明聴聞会”のようになっている。過去に燻った女優とのスキャンダルや親戚を巡る暴言について今回与党から蒸し返され攻撃され続けている。

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 先日のテレビ討論では女優スキャンダルを再び俎上に載せた相手(丁世均前首相)へ李知事は思わず「もう一度ズボンを脱ぎますか」と激高した態度を見せ、その態度に与・野党から非難が飛んだ。この発言は、過去に女優スキャンダルを巡る疑惑の最中、女優が証言したほくろの位置を確認したことがあったためだ。病院で医師が検診し、ほくろやほくろを除去した形跡はないということで騒動は収まっていた。

 韓国では政権交代論が49%を占めている(政権維持は38%、韓国ギャラップ)が、果たして最後に残るのは誰か。

 さて、冒頭にあげた大統領選株。各候補者出馬宣言直後、動きがあった。李知事関連のテーマ株は3%ほど上がったが、尹前検事総長のテーマ株は36%ほど下落した。

 韓国の大統領選挙はどこかでドラマさながらの動きが出てくる。大統領選株もそれに伴いこれから乱高下を繰り返すことになる。

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