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──コロナ禍で、ZUMBAのオンラインレッスンをはじめたのも生徒さんからのご要望で?

早見 私の精神面によるところが大きかったんです。コロナの影響で、出る予定だったイベントが中止や延期になると、すごくさみしくなっちゃうんですよね。世の中で自分だけが独りぼっちになったんじゃないかと思うくらい。「やっぱり私たちの仕事ってお客様ありきなんだな」って改めて実感しました。

「数年前、『恋かな、YES!』のところで会場のみなさんが腕を上げるとき、昔ほど上がらなくて」と笑う早見さん

 それで最初、ママ友向けにZUMBAを配信してみたら楽しくできたので、リアルでレッスンを受けていたみなさんにも声をかけたんです。そしたら、北海道、福岡、シンガポール、ニューヨークと、遠いところからもたくさん参加してくださって、すごく嬉しくて。

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 やっぱり人間って、仕事でも何でも求められて待っていてくれる人がいるとやる気が出ますから。毎週みなさんに「ありがとう!」って感謝の気持ちを込めてレッスンしていました。

 

「人間としてすごく距離が縮まったと感じます」

──インスタグラムもよく更新されているので、一般の方との距離もすごく近くなっていますよね。

早見 そうですね。私は昭和のアイドルなので、一般の方とのやりとりはファンレターをいただくところからはじまったんです。でも今は、SNSで瞬時にメッセージを受け取ることができますし、返事もすぐ返せる。本当に時代は変わったなって思いますね。使い方を覚えるのに必死ですけど、楽しんでます。

 あとやっぱり私が15歳でデビューした頃は、今のようにオンラインで気軽につながることもなかったので、同世代から「遠い存在」と思われていたんですね。でも結婚して、出産して、親になって、そういう経験を同じように積み重ねながら、長年応援してくださっているファンのみなさんとは、人間としてすごく距離が縮まったと感じます。

 なかには、子育てが終わって介護されている方や、別の国で大変な経験をされてきた方など、状況は違ってもみなさんそれぞれがんばっていらっしゃるので。私も、毎日しっかり生きなくちゃってすごく思いますね。

PTA、性教育…手探りで自分も学んだ2児の子育て

──仕事と子育ての両立を振り返ってみていかがでしたか。

早見 子どもたちが小さい頃は、送り迎えとかすべて自分でできなかったので、ベビーシッターさんにずいぶん頼りました。仕事しているのに、お金はどんどんなくなっていきましたから。ベビーシッターを利用できるクーポンを、政府が配ってくれたらいいのにと思いましたね。それでも仕事はなんとか続けたくて、舞台などの大きな仕事はセーブしましたけれど、細い糸でもいいから仕事はつなげていこうという感じでした。

 母親として、社会のことをいろいろ学ぶこともできました。15歳から仕事してきて世間知らずなところがあったので、PTAの役員をやらせてもらったり、企画を考えて学校にどうプレゼンするかみんなで話し合ったり、そういったことは子どもたちがいなければ絶対にできなかった経験ですから。仲のいいママ友たちと月に1回勉強会を開いて、性教育について話し合ったりもしました。