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──私も子どもがいますが、性教育についてはどういう風に話せばいいか悩ましいです。

早見 その頃、娘たちはまだ幼稚園と小学校低学年だったんです。でも家庭で性に関するトピックを避けたりごまかしたりするのはよくないから、夫とも話し合って、女の子だから私から話をしていこうということになりました。うちは家族とは主に英語で話すので、最初は、女性器のこともあいまいな表現はせずに「ヴァギナ」と伝えていました。

 成長に合わせて、男女関係のことも教えましたけど、面と向かって話すと嫌がられるので、車を運転しているときに娘のどちらかが助手席に乗ったら、「チャンスだ!」って(笑)。同じ方向を見ながらだと話しやすいんです。あと1回だけでは伝わらないから、半年に1度くらいのペースで繰り返し話しています。「またその話? 前にも聞いたけど」って言われますけど。

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「自分が母親になってから親の苦労がわかるように」

──大事ですね。参考になります。お嬢様たちはもう20歳と18歳なので、だいぶ手が離れたのではないでしょうか。

早見 そうなの、さみしいです。この前も、娘たちが今まで使ったお弁当箱を処分したら悲しくなりました。「もうお弁当を作ることもないんだな」と思って。娘たちが小さい頃、「かわいいお弁当がいい!」って言われて、キャラ弁の本も買ったんです。でも私すごく不器用なので、「ゴメン、やっぱりキャラ弁は無理」って謝ったことを思い出したりして。その本も、小さい子どもがいる親戚にあげました。

 私の両親は3歳の頃に離婚したので、母はシングルマザーで働きながら子育てして、私が25歳のときに亡くなってしまったんです。だから、あまり話を聞いたことはなくて、自分が母親になってから親の苦労がわかるようになりましたね。祖母も同居していて、私はキャリアを持つ母と祖母の背中を見て育ったので、娘たちにも自分の好きなことを見つけて自立してほしいと、ずっと言い続けてきました。

 ジャズ歌手だった父とも、母が亡くなった後は、ときどき一緒にジョイントコンサートをしたり、よく家に遊びに行ったりしていたんです。でも父はすごくシャイな人で、一緒に舞台で歌っていても絶対に目を合わせないんですよ。「なんでだろう?」とずっと不思議だったんですね。

 でも何年か前、長女とライブで一緒に出演したときに、「お父さん、こんな気持ちだったんだ!」ってはじめて気がついて。子どもと一緒に舞台に上がると、ものすごく緊張するんですよ。だから距離を置きたくなって、娘のほうが私よりはるかに堂々としていました。親にならないとわからないことって、本当にいっぱいありますね。

(取材・構成:樺山美夏、撮影:文藝春秋/佐藤亘)

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※ZUMBAの正式表記はZUMBA(R)・(Rはマル囲みR)です

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