効果が上がる勉強法は……
まずはこの点について理解しておかないと、どんなに素晴らしい勉強も意味をなくしてしまいます。
実践的な説明に入る前に、この「効果が上がる勉強と、効果が上がらない勉強の違い」を解説させてください。
みなさんは、頭がよくなるタイミングがいつなのかご存知でしょうか? 頭がよくなるタイミング、というと抽象的ですからもっと分解しましょう。
・知識を自分の頭の中に入れるタイミング。
・知識をいつでも取り出せるようになるタイミング。
・知識を活用できる状態になるタイミング。
といったところでしょうか。
では、そういう「頭がいい」状態になるためには、一体何をすればいいのでしょうか。おそらく多くの人の答えは次のようなものだと思います。「たくさん本を読む」「たくさんの知識を持っている先生などの話を聞く」「論文を読む」などなど。
はっきり申し上げますが、これらは全部、「頭をよくする行為」ではありません。人間は、知識をインプットする時には頭はよくならないんです。いくら本を読もうが、いくら先生の授業を聞こうが、全く意味がない。
「ええ? じゃあどうすればいいの?」と疑問を抱くかと思いますが、答えは簡単。「アウトプット」をすればいいのです。
例えばみなさんは、水泳をやったことはありますか? 泳げるようになるためには、どのような努力をすればいいのでしょう。
やったことがある人ならわかるかもしれませんが、水泳というのは別に泳ぎ方を陸の上で習えばできるようになるというわけではありません。とにかく水の中に入ってみて、水に慣れてみて、時には溺れそうになりながらも訓練していくことでやっと泳げるようになるものです。
勉強もこれと同じです。「ここをこういう風に動かせば泳げるんだ!」「この公式はこうやって使うんだ!」といくら学んでも、いつまで経ってもできるようにはならないのです。
とにかく実践してみないことには覚えられないしできるようにもならないのです。
日本人が英語が苦手な理由
もっと詳しく話をしましょう。
みなさんは英語はお得意ですか? 僕もそうだったのですが、英語ってなかなか上達しないですよね。日本人は英語が苦手な人が多く、英語でつまずく人は大人子供を問わずたくさんいらっしゃることと思います。
では、いったいどうして日本人は英語が苦手なのか。これは非常に単純でわかりやすい明確な理由があります。
使わないからです。
ネイティブスピーカーと話したり、英語の文章を読んだり、英語で文章を書いたり、といった英語を使う機会が日本ではなかなかないから、英語を喋れる人が少ないのです。
それどころか、発音やアクセント・文法を重視した「正しい英語を勉強しないといけない」「正しくないものは使ってはならない」と、英語における活用(アウトプット)を極度に嫌がるのが、日本人の特性なのです。