生まれ育った環境によって受けられる教育に差が生まれる「教育格差」の問題が深刻化している。一方で、沖縄県の離島に暮らし、塾にも通わない、教育的に恵まれているとはいいづらい環境から東京大学に進学を決めた学生もいる。学生は、どのようにして東大合格という高いハードルを超えることができたのだろうか。
ここでは現役東大生の西岡壱誠氏の著書『東大式スマホ勉強術 いつでもどこでも効率的に学習する新時代の独学法』(文藝春秋)の一部を抜粋。独学において忘れてはならない大切なポイントを紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)
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独学には限界がある!?
さて、「1人で勉強することをやめよう」なんて聞くと、みなさんは「ええ? じゃあ今までのはなんだったのさ?」「これは独学術の本じゃないのかよ?」と思うでしょう。が、そうではないのです。
僕は、独学の前提になっている部分を発展的に解消しませんか、とご提案しているのです。
独学の前提。それは、1人でやらなければならないということです。「独」学なのですから、当たり前ですね。
しかし、よく考えてみてください。1人で勉強しなければならない理由があるのでしょうか? 多くの人と共に勉強でき、その方が楽に成果が上がるのであれば、それはそれでいいことなのではないでしょうか?
もちろん、以前は一緒に勉強する仲間がいないとか、経済的な理由で塾に行けないとか、そういった理由で1人で勉強しなければならない状況もあったと思います。
しかし、現代において同じ目標を持つ仲間を見つけること、繋がって一緒に努力することは簡単になっています。たとえ周りに一緒に頑張る人が誰もいない状況だったとしても、無人島に暮らしていたとしても、スマホ1つあれば一緒に頑張る仲間が見つかる時代なのです。
2019年度に、沖縄県の離島から塾に行かずに東大合格した学生が1人います。
SNSで自分の勉強記録をアップして、他の東大志望の学生がどのように勉強しているかを知り、「スタディサプリ」の動画を見て勉強し、スマホをフル活用して合格したわけです。
彼は、「なぜ1人で合格できたのか」という質問に対して「自分は1人ではなかった。だから合格できた」と語っています。つまり、彼は既存の独学の概念を打ち破って東大に合格したというわけです。
これと同じように、スマホのおかげで勉強を1人でやらずに志望校に合格する学生は後を絶ちません。これからの時代は、独学といえども他の人と一緒に頑張ることも可能なのです。