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新番組の「ガチンコ企画お蔵入り」に見るAKBの現在地 大人の忖度が奪った“我武者羅さ”

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 アイドルグループ「AKB48」の新番組「乃木坂に、越されました~AKB48、色々あってテレ東からの大逆襲!~」(テレビ東京系)が6日からスタートした。AKB48にとって唯一の冠番組としてファンの間では期待されていたが、メンバーに“忖度”した放送内容変更に呆れる声が上がっている。スポーツ紙デスクが語る。

「番組放送については、5月23日に横浜で行われたAKB48単独コンサートでサプライズ発表されました。『7月から新番組』とモニターに表示されると会場には歓声が上がりましたが、『乃木坂に、越されました』というタイトルが明らかになるとどよめきも起こりました」

コロナ禍の中でセンターを務めた山内瑞葵 ©時事通信社

自虐的な番組タイトルに「賛否両論」

 かつては一世を風靡したAKB48が、ライバルグループとして誕生した「乃木坂46」に追い越された…。そんな番組タイトルに、ネット上でも賛否両論が巻き起こった。それでも、当のメンバー達は至って前向きだったという。

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「AKB48グループ『総監督』の向井地美音は『私達が今度は越えていかなきゃいけない』とポジティブに発言していました。自らの境遇を踏まえて、“自虐ネタ”として楽しんでいくのはAKB48の得意とする所でもありますし、ベテランの柏木由紀も『久しぶりにAKB48っぽいな、と思いました』と喜んでいましたね」(同前)

現在はAKBの総監督を務める向井地美音 公式HPより

 確かにAKB48といえば「選抜総選挙」を初め、メンバーのチーム編成を大きく変える「大組閣」など、時にはメンバー達が泣きじゃくる程の“ガチンコ”イベントが持ち味だった。「まさか、このコンサートの音源は流出しないよね?」「たかみなについて行きます」など、タイムリーなネタをコンサートタイトルに盛り込むなど、“遊び”要素があった。番組制作会社関係者が明かす。

「『乃木坂に、越されました』は、久々にAKBらしさが返ってきた様なタイトルだと思います。スタッフはグループやメンバー達の“リアルショー”を追い求めたとっておきの企画を用意し、かつてのAKB48にも負けない様な起死回生の冠番組になって行くはずだったのですが…」