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クネクネ蛇行する“激狭国道”を走ってみた 軽自動車でもギリギリ「6.4キロの酷道」はなぜ生まれた?

2021/07/11

genre : ライフ, , 娯楽, 社会

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道幅こそ狭いけど、何もかもがピカピカ

 道幅は1.5車線といったところで、普通車同士であればギリギリすれ違える程度。ガードレールや道路標識、カーブミラー、反射板、何もかもがピカピカで真新しい。

 また、カーブは綺麗な曲線を描き、バンクもついている。道幅こそ狭いが、カーブの途中でハンドルを切り直す必要がなく、非常にスムーズに走行できる。現代の技術で造られた酷道は、とても走りやすかった。

国道416号。カーブの連続で確かに“酷道”だが、実はとても走りやすい
道幅は1.5車線といったところ。狭いとはいえ、普通車同士であればギリギリすれ違える

 最新の酷道を実感し、感動していると大日峠に到着した。ここから先は、石川県だ。

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 石川県に入ると、ガードレールの代わりにコンクリートの駒止めが設置されていた。県が変われば道路が変わる。国道は国が管理しているものと思われがちだが、実は国が管理する直轄国道はわずかで、実際には都道府県が管理している国道のほうが多いのだ。

大日峠に到着。ここからは石川県に入る
真新しい駒止めが目に鮮やかだ

峠を下ると、昔ながらの酷道も!

 駒止めというのは、駒のような形をしたコンクリートの構造物で、ガードレールと同様の機能を果たす。視認性には劣るが、豪雪ですぐに変形してしまうガードレールと違い、耐久性に優れているのが特徴だ。

 駒止めは国道に設置されていることもあるが、例外なく色あせている。そのため、ピカピカの駒止めが、林道ではなく国道に設置されている光景は、とても新鮮だった。

峠を下ったところ。ここから先は……
対向車が来たら終わりの酷道が始まる
昔ながらの走り応えのある酷道だ

 やがて峠を下ると、新設開通区間は終了した。しかし、この先には昔からの酷道が続いている。普通車でもギリギリの幅員しかなく、駒止めも設置されていない。そんな酷道が、小松市街まで延々と続いているのだ。

 新技術を駆使した走りやすい酷道と、昔ながらの走り応えのある酷道。その両方を楽しめる、素敵な酷道が誕生していた。