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――現在登録者数10万人を超えてる山田さんのYouTubeチャンネル、始めたきっかけは?

山田 僕は前からインスタグラムをやっていたんです。例えば、子どもに手足がないというお母さんから「勇気付けられる」と言っていただけるような配信をしたかった。より多くの人に僕という存在を知ってもらいたくてYouTubeを始めました。

YouTube配信を止めていた時期

――一時気分が落ち込んだこともあったようですが……。

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山田 はい。昨年の9月、10月頃になってチャンネル登録者数がいきなりボンと増えて。もともと(事故当時)営業マンだったこともあって、数字が関わってくると、どうしても気になってしまう。他のチャンネルの数字が気になって、どんどん数字を追いかけるようになって、少しずつやりたいことが見えなくなっていくような時期がありました。

©️市川はるひ

――その頃、まだ本を出版する話はなかった?

山田 時期が重なってました。だから落ち込んだときの心境も本に書いています。僕が常に気分が上がってたり、最初から明るいタイプというわけでもないことも明らかにして、正直に書きました。だからこそ気分が落ち込みやすいかたが読んでも、心に届く内容だと思います。

 僕は、向かう方向が定まると、一気に突き進むタイプなんですけど、当時は向かう方向がわからなくなっていました。電車が駅で停車してるような状態。それで最初にYouTubeの更新を止めたのが、年末年始くらいでした。

 でもどのチャンネルも、年始1発目の動画を上げているから「やらなきゃ、やらなきゃ」みたいな気持ちになっていって。プレッシャーを感じている時期でした。それで「まだ本調子じゃないな」と思いながら、自分を鼓舞して1月に動画を上げたんですけど、かなりブレてる状態でした。

――でもその動画にも反応があって。

山田 そうなんです。(やっぱり応援してくれている人がこんなにいるんだ)とか(見てくれている人がこれだけいるんだな)と思って。だから動画を上げたいんだけど、このままじゃ自分が何をしたいのかわからない……そういう葛藤があって。気持ちが上昇したり下降したりが続きました。

©️高橋慎一

友人のかけてくれた言葉が壁を乗り越えるきっかけに

 ヨシヤはそんな僕を一発で見抜いた。

「ちーくん、何やってんだよ!」

 そう言われても、答える言葉がない。するとヨシヤはさらに真面目に問いかけてきた。

「ちーくんにとって、挑戦ってなんですか?」

 この問いかけに、僕はハッとした。

(『線路は続くよどこまでも』より)

――そんななか、友人の言葉がきっかけで気持ちが変わっていったんですね。

山田 ヨシヤっていう友だちが電話をくれて「インスタグラムとかネットの配信とかやってないけど大丈夫かよ」「わかるぞ、すぐ」と言われました。そのときにハッとさせられて。そのまま朝方4時とか5時まで電話で話し続けて「じゃ今から撮影するわ」って、そのままのテンションで撮影しました。

ヨシヤさんと電話で話した直後の配信(山田千紘 ちーチャンネルより)

 

――現在、YouTubeはコンスタントに更新できてるんですか?

山田 そうですね、あまりルールを作ってしまうとまた苦しくなっちゃうと思うんですけど、もうちょっとでYouTubeの配信を始めて1周年。それが7月24日(※「山田千紘 ちーチャンネル」配信開始の日であり、山田さんが事故に遭った日でもある)なので、そこまではとりあえず頑張りたい。週に数本上げるのを目標にしています。