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義肢装具士お墨付きの体幹の強さ

――山田さんはすごく運動神経良さそうですね。

山田 そんなことはないんですが、義肢装具士のかたには「体幹が強い」と言われますね。バランス感覚とか安定感。歩き方に現れるみたいです。

©️高橋慎一

――スポーツは、子どもの頃、バレエをやってたんですよね。何年間?

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山田 4年くらい結構ガチで。熊川哲也さんに憧れて、ああなりたいと思っていました。

――今でもプロアスリートのご友人に「一緒にやってみないか」とか誘われたりしませんか?

山田 学生の頃なら考えたかもしれませんけれど、会社員なので。でも1日体験のチャレンジをすることはすごく興味あって、YouTubeでもやっています。

 あと、走り幅跳びでパラリンピックに決まった小須田(潤太)選手が友だちなんですが、彼はスノーボードもかなりうまい。僕は両足ないのでスノボはかなりリスキーなんですけど、この前会ったときに「俺が全部教えてやるし、道具もあるから。余裕っしょ?」と誘ってくれたんで、この冬は挑戦しようかと思っています。

――山田さんはフルタイム勤務の会社員だから、アスリートの友だちとは生活のパターンがかなり違う?

山田 そうですね。あと、ユーチューバーとして生活をしている人とも。コラボとかすることもあるんですが、生活のサイクルがだいぶ違いますね。

――今は、まず第一に「会社員」という立場が優先なんですね。

山田 この先、より自分が活躍する場を見つけたら、あるいは変わることもあるかもしれないけれど、今は働いている自分の立ち位置というものが分かっていますし、上司に対しての恩もあります。これからも、仕事をしながら発信していくつもりです。

全ての人に“自分自身が歩む線路”がある

――改めて山田さんの著書『線路は続くよどこまでも』についておうかがいします。この本は、どういう人にどのように読んで欲しいですか?

山田 まずこの本は「ケガした人ががんばりました、チャンチャン。ハイ拍手!」という内容ではなくて……タイトルは“人生”を“線路”に例えています。つまり全ての人に“自分自身が歩む線路”がある、ということを伝えたいんです。

©️高橋慎一

 僕は事故をきっかけに、向かっていた線路が途中で変わってしまいました。けれどそこでいろんな出会いがあって、今自信を持っていろんなことを発信してる。ただ、それはあくまで僕が見て、進んできた線路の話。だからこの本を読んだうえで、みなさんにも「自分の線路」を一度、見直してほしいんです。自分に置き換えて「これからどんな人と出会うのか」を想像してほしい。

 障がいのあるなし、年齢も関係なく、誰もがみんなそれぞれ、今日まで間違いなく人生を歩んできた。だからこれからも人生の線路を歩んでいけるはず。過去に嫌なことがあったなら、一度振り返ってみて「じゃあ、これからはどうしていくのか」ということを考えればいい。過去より未来。先のことを見て進んでいくと、もっといいことがいっぱいある。自分はそういうことを体感してきたので、そこが伝わるといいなと思っています。