オズワルド以外の怪しい男の存在
――前方から撃たれていたとなると、オズワルド以外にも狙撃犯がいた可能性が高い、と。
三上 その弾丸のルートを調べると、どうしてもグラシノールの丘という、ちょっと塀がある場所から撃ったという話になってくるんですよね。実際、フィルムにはグラシノールの丘から、何者かが歩き去るところが映ってる。遠くなんだけど、影で。じゃあそいつは誰よ、という話なんだけど、それがジェームズ・ファイルズという男じゃないかと言われています。2008年に日本テレビの番組でも取り上げられていたんですが、放送当時、別の事件で服役中だったその男が、「自分がやった」と言っているんです。
――その証言はどれくらい信憑性のあるものだったんでしょうか。
三上 ジェームズ・ファイルズは対象者を狙撃で仕留めたとき、薬莢を噛んでそれを現場に埋める癖があるんだと言っている。で、実際にその“噛まれた薬莢”がグラシノールの丘から見つかってるんだよね。あと、銃声を解析してみると、オズワルドの持っていたライフルじゃなくて、確かにジェームズ・ファイルズが使ったと証言した銃と一致するんです。……でも、オズワルドが狙撃犯の一味だったことも、おそらく間違いない。
――狙撃犯は複数人いて、オズワルドはその一員だった?
三上 パレードのコースも当日になってから急遽変更されているし、そんななか一人であの犯行を行ったと考えるのは無理があるんじゃないかと。何人かで狙撃して、まず背後から放たれた銃弾がケネディに当たった。それで前かがみになったところを、今度は前方からもう一発――これが致命傷になった。ジェームズ・ファイルズも実行犯は4人ぐらいいたと証言していて、事前にオズワルドとも会っていたと言っています。全部打ち合わせ済みだった、ということですよね。