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《京都・平安女学院で内紛勃発》“敏腕経営者”理事長vs.“愛の教育”ミッション系教職員の行方は?

《京都・平安女学院で内紛勃発》“敏腕経営者”理事長vs.“愛の教育”ミッション系教職員の行方は?

京都の伝統女子校“令和のお家騒動”♯2

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 今井校長は「いつも穏やかで、どんなときも愛の教育を大切にしてきた平女の象徴のような方」(同前)なのだという。突如、校長不在となった学院内には大きな動揺が走った。

校長に次いで副校長や教頭も“処分”

「校長不在という異常事態について、生徒や保護者たちに何も説明しないわけにはいきません。そこで副校長や教頭らが生徒や保護者向けの文書を作成しました。6月26日の朝礼で教職員にその文書を配布し、その日のショートホームルーム(終礼)で各教室の生徒に配布する予定でした。しかし配布直前、理事長付きの秘書室のような部署である学院統括室の職員によってプリントの配布が阻止されてしまったのです」(同前)

 そうして、生徒らに校長不在の理由が説明されないまま、10日が経った。そして6月28日、学院統括室が中・高の教職員に緊急招集をかけた。

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「学院長付参与から、これまで理事長に対して式辞の説明責任を求めてきた副校長、教頭ら4人の『役職解任』が告げられました。彼らはこれまで教職員会議で、理事長の式辞での発言内容を問題視し、その対応を検討してきた中心人物でした。その会議の音声が録音され、音声データが理事長の手に渡っていたようなのです。教職員の誰がどんな発言をしていたのか、すべての動きが理事長に筒抜けになった結果、ついに副校長や教頭らまで『クビ』にされてしまったのです」(同前)

学院長付参与と男性教職員との間で激しい口論

 前出の教職員によると、副校長らの解任が告げられた当日、理事長側の学院長付参与と男性教職員Aとの間で人事を巡って激しい口論があったという。取材班はそのときの音声を入手した。やりとりは以下の通りだ。

学院長付参与 「先生方、急なお呼び出しいたしまして、大変失礼いたしました。理事長の方からの決定事項だけお伝えしたいと思います。ちょっと急なんですが、今現在、副校長を務めていただいております●●先生、それから教頭をやっていただいている▲▲先生、■■先生、〇〇先生の方々につきましては、本日付で、その職の任を解きます。新たに副校長として☓☓先生を本日昼に、理事会決定により、中学校・高等学校副校長に任ずることに決まりました。(中略)なお、校長代行は規定によりまして、副校長である☓☓先生の方に務めていただきます。よろしくおねがいします」

 

教職員A 「意見があります」
 

学院長付参与 「言いたいんやったら言ってください」
 

教職員A 「すいません、質問があるので、それに回答してください。辞令と申しましたけども、何を根拠として、管理職にそのような辞令をやるんですか。それが明確でなければ私は従う気はございません。また、学校の公平性から言ったときに、この人事は明らかに不当だと思いますが、どう思われますか」
 

学院長付参与 「みなさんが例えば部長とか課長とか、職に就くときにいちいち理由を聞かれたことありますか?」
 

教職員A 「でもおかしいじゃないですか、これどう考えたって……」
 

学院長付参与 「みなさんに納得のいく理由を普通言う方がおかしいでしょ? 人事の問題って」
 

(中略)
 

学院長付参与 「あとでいくらでも議論はしましょう」
 

教職員A 「議論はここでちゃんとしましょう。明確な議論をしてください、だから私は今、怒ってるんです」
 

学院長付参与 「とりあえず一旦終了します、いいですね?」
 

教職員A 「おかしいって言ってるじゃないですか。全然答えてない」
 

学院長付参与 「いいですね? A先生、いつでもお相手しますから来てください」
 

教職員A 「お相手じゃないです、ちゃんと答えてください」
 

学院長付参与 「一応先ほどのが答えです」
 

教職員A 「答えじゃないですよ」
 

学院長付参与 「いいですか? どうもありがとうございました。以上で終わります」

 一連のやり取りのあと、教職員Aは「なんなんですかこの学校、民主的じゃない……」と呟いたという。