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事態急変! 理事長がマイクを握って謝罪

 しかし校長が自宅待機となって23日目の7月8日、事態は急変する。朝礼の場に山岡理事長と今井校長の両者がそろって姿を現し、校長の解雇が撤回されたのだ。

「山岡理事長はマイクを握り、式辞での発言について、『不徳の致すところ』『ご迷惑をおかけしました。深く反省しています』と謝罪しました。今井校長はいつも通り落ち着いた様子で、解雇が撤回されたことを報告。教職員はみんな安堵の表情を浮かべていました。本当に安心しました……」(前出・教職員)

 理事長が態度を軟化させたのは、SNSで理事長の式辞での問題発言が広まり、保護者や卒業生からの電話や問い合わせが収まらなかったことが理由のようだ。その夜、副校長や教頭ら4人の解任も撤回された。

 取材班はこの一連の騒動について、校長にも話を聞こうと自宅へ向かった。今井校長は30分間にわたって取材に応じた。

「どんな権力を持った方に対してでも、間違っていることは間違っている、と主張すること。その姿を子供達に見せなければと、信念を持って、45年間、平安女学院で働いてきました。ですから単に理事長といがみあっているということではありませんし、そこは誤解なさらないでください。

 もちろん理事長とは教育観も、経営、組織運営、全部考え方が違いますが、そこはまあ、経営者ですから。しかしキリスト教学校として、愛の精神を説いていかねばなりません。愛とは、人を大切にする、大切にされるということ。この一点なんです。それを否定されるような式辞については改めていただかなければ、平安女学院の教育が崩れてしまいます」

©文藝春秋

校長の「歯向かえば切られる」覚悟

 今回の「異議申し立て」について、校長は「歯向かえば切られる」という覚悟で行ったという。

「理事長は京都だけでなく、文科省や政治家、財界も動かせる権力がある。そういう人物ですので。ですから理事長からすると『なんでそんな人に、お前が物言えるのや』みたいな感じでしょうね、きっと」(同前)

 山岡理事長にも話を聞きに行ったが、自宅のインターホン越しに出た本人と思しき人物が「病床に伏している」と説明し、取材は断られた。平安女学院の関係者が語る。

「理事長は式辞での発言について謝罪し、校長先生らへの人事についても撤回しましたが、自分に歯向かう教職員に対して不当な圧力をかけた事実は変わりません。今後教職員会では、伝統ある平女を預かる役職に理事長がふさわしいかどうか、追及していくことになるでしょう。

 理事長は着任してすぐ、教職員の給与を大幅にカットしたんです。校長に至っては、50%程度にされています。経営改革といっても、現場に身を切らせるようなやり方をしたわけです。しかも平女の文化に理解を示そうともしないのですから、人望が集まるはずありませんよ」

 歴史深い京都で巻き起こったお家騒動。火種は、まだ燻っているようだ。

 7月22日(木)21時〜の「文春オンラインTV」では、本件について担当記者が詳しく解説する。

 

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