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2021/07/24

「第2部」1980年代から2010年代までの作品

 2階展示室での「第2部」は、1980年代から2010年代までの作品が取り上げられ、内容や手法の多様さはますます加速する。「BRUTUS」誌で1992年から連載が継続する『人間関係』、東日本大震災の被災地を訪れて撮影した『ATOKATA』、休みなく姿を変えていく東京の光景をどこか自身の写し鏡のようにして捉えている『TOKYO2020』……。

 
 
 

 めくるめく作品と対峙して、観る側は画面の美しさに浸るもよし、自分の思い出と結びつけてあれこれ感慨に耽るのもよし。誰もがいかようにも楽しむことのできる度量の大きさに感嘆させられる。

 会場に入る際に手渡される「作品解説」も秀逸だ。作家本人が時間をかけて書き下ろしたもので、一つひとつの作品に対する想いがたっぷり明かされている。これで観覧がより親しみやすく楽しくなる。

 とびきり息の長い第一級の表現者であるとともに、いつだって人を楽しませようとせずにはいられないエンターテイナーでもある。この両方の特質をひとつの人格のなかに併せ持つ稀有な存在だからこそ、篠山紀信はずっと写真表現というジャンルの、いや時代の「顔」として、あり続けているのだ。

写真撮影:北沢美樹

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