TWICEの特徴は、アジアの文化的趣向に満ちていること。さらに、「少女らしさ」「女性らしさ」を強調し、歌に込められたメッセージも女の子が誰かを元気づけたり、気遣ったりするものが多い点が挙げられる。
TWICEのファッションも、生真面目な女の子らしいスタイルが定番だ。悩みを抱えている内向的なスタイルというより、外向的な印象。彼らの表情やダンスも溌剌としていて、軽快な雰囲気が特徴となっている。
この戦略は、アジアで戦うためには決して間違っていない。実際、TWICEはそのスタイルで、日本や中国をはじめとするアジア各国でブームを生み出すことに成功した。
しかし、TWICEは欧州や米国では、アジアほどのブームを生み出すことはできないでいる。NiziUも同じ道を辿る可能性があるのだ。
欧米でも成功したBLACKPINK
一方、NiziUやTWICEが抱える限界を超えて、欧米でも高い人気を誇っているK-POPガールズグループがある。YGエンターテインメントのBLACKPINKだ。
ここ数年の彼女たちの欧米での活躍は目覚ましい。
「YouTubeクイーン」とも言われる彼女たちは、YouTubeにおける全ミュージックビデオの中で最多再生数を記録。2018年に発表したシングル『DDU-DU DDU-DU』はYouTubeで16億回再生を記録し、BTSの『DNA』が記録した13億回再生を越えている。さらに、昨年6月公開された『How You Like That』はK-POP史上最短で9億回再生を突破した。いま世界で最もYouTubeのチャンネル登録者数が多い女性音楽アーティストとされる。
さらに、今年1月にYouTube上で行われたオンラインコンサート「The Show」では、28万人以上の視聴者を獲得。全世界の視聴者のうち、国別で最も視聴者数が多かったのは、19.2%を占めたアメリカだった。欧米での公演も成功し、昨年にはレディー・ガガとのコラボ作品も発表。すでに米ビルボードチャートの常連となっている。