BLACKPINKとNiziUはどこが違うのか?
では、欧米で成功したBLACKPINKは、NiziUやTWICEとどこが違うのだろうか。
大きな違いは、NiziUやTWICEが「ファン依存型」のグループであることだ。
たとえば、NiziUのダンスはファンの視線を強く意識したもので、ファンが真似しやすい振り付けを取り入れ、相手の反応を引き出すために努力しているように見える。こうしたキャッチ―なダンスは、かわいらしさを強調したものが多く、男性ファンを狙っていると思われる可能性もある。
また、ガールズグループがこのスタイルで活動したとき、自らファンに歩み寄ることで、親近感を出すことはできても、若者の憧れの存在として牽引していく構図は生まれにくい。同時に、ファンに対してある種の“疲労感”を与えかねない。
一方のBLACKPINKは「ファン依存型」というより、独自のスタイルを打ち出すことに重きを置いている。
これは、アーティストの持つ個性やスタイルを重視するYGエンターテインメントの「好み」がにじみ出ていると言えるだろう。
例えば、BLACKPINKは、他人の視線より自分の個性を打ち出し、その個性が既存の「女性らしさ」から逸脱することも厭わない。自己主張が強烈であることが、若者から共感を呼ぶ。今の若い世代にはできない、その個性溢れるスタイルを実現することで、ファンダムを形成しているのだ。
そして外部の視線や、男性ファンの視線を意識することもない。むしろ男性趣向ではなく、より女性たちから注目される。堂々とした主体性を発揮しながら、ファンが共感できる音楽や歌詞、そして独自のファッションスタイルを見せている。このような文化的趣向が、欧州や米国で好意的に捉えられている。