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《ヘアヌード解禁から30周年》3万2000年前に刻み込まれた洞窟壁画 “黒い逆三角形”の正体は…

『ヘアヌードの誕生 芸術と猥褻のはざまで陰毛は揺れる』より#1

2021/08/07
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禁じられた裸体美術

 ギリシャ・ローマ文化では、神は人間と同じ姿をしているという考えの下、人間の肉体は美しいものとして、裸体は積極的に美術のモチーフとされていたが、キリスト教は肉欲を罪と考え、裸体表現も禁じられた。

 特に、「クニドスのアフロディテ」(*1)以降、全裸や半裸が当たり前になっていたアフロディテ=ヴィーナスは、異教の神として弾圧された。

*1 紀元前4世紀に活躍した古代ギリシャの彫刻家プラクシテレスによる、等身大の女性の裸身像。

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 その復活は14世紀から始まるルネッサンスまで待たなければならない。

 古代ギリシャ・ローマの文化を復興しようというルネッサンスはイタリアから始まり、そして西欧各国へと広まっていった。

 そして復興される文化の中には、長いこと失われていた裸体美術もあった。サンドロ・ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」を筆頭に、数多くの芸術家が男女の裸体表現に挑んだ。

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ヘアヌードの誕生 芸術と猥褻のはざまで陰毛は揺れる

安田 理央

イースト・プレス

2021年6月6日 発売

《ヘアヌード解禁から30周年》3万2000年前に刻み込まれた洞窟壁画 “黒い逆三角形”の正体は…

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