優秀な子を集める時代ではなく、“素質”のある子たちを鍛える時代へ――。
バスケットボールの日本代表が45年ぶりにオリンピックの舞台に戻ってきた試合は、スポーツ界の育成方針が変わっていくことを暗示しているのかもしれない。
7月26日、世界最高峰のNBAでプレーする八村塁(ウィザーズ)や渡邊雄太(ラプターズ)を擁する日本代表は、2年前のW杯王者スペイン相手に健闘を見せた。国際バスケットボール連盟(FIBA)の定める世界ランキングで2位のスペインに対して、日本は42位。前半の残り5分34秒の時点からのわずか4分間で相手に19連続得点を許したのが響いて、最終的には77-88で敗れてしまった。ただ、後半のスコアだけを見れば、49-40と格上の相手を上回る。世界ランキングを考えれば十分、善戦と言っていい結果だ。
日本代表のスタメンの平均身長は201cmに
この試合で注目すべきは、日本代表のスタメンの平均身長が2mを超え、201cmになったことだ。2年前のW杯でも1試合だけ平均身長が2mを超えた試合があったが、今大会はケガなどが無い限り、基本的に全ての試合の先発がこのメンバーになりそうだ。
スタメン4人のうちギャビン・エドワーズはアメリカで生まれ育ち、昨年に日本への帰化が認められた選手だが、彼を除いた4人の平均身長でも199.75cmで、ほぼ2mとなる。今大会の12人の登録メンバー全員の平均身長を見ても196cmだ。一方で、2016年11月8日、前回のリオデジャネイロ大会が終わったあとに、当時の日本代表候補選手が発表されているのだが、そのときの平均身長は190.3cmに過ぎなかった。
つまり、日本の大型化が進んでいるのは一目瞭然なのだ。