加熱する大人のマニアたちへの対策は……?
――ところで、フルタ製菓は昭和27年(1952)創業の老舗メーカーとして知られます。この長い歴史の中で、チョコエッグはどのような役割を果たした商品なのでしょうか。
古田 フルタ製菓はもともと、先代が大阪市の生野区で、焼き菓子の製造販売を行なう会社として創業した企業です。それがこうして販売網を全国に広げるきっかけになったのは、1967年にリリースした「ハイエイトチョコ」でした。当時の主な販売網は駄菓子屋さんで、カラフルな糖衣のチョコが子どもたちの人気を呼んだのです。
これを機に子どもに向けた商品展開に注力し、「ハイエイトチョコ」から「わなげチョコ」が派生したり、あるいはおまけが付いた食玩などの開発に取り組むようになりました。チョコエッグにしても、そうした祖業の系譜に連なるものであり、我々としては今後も大切に守っていきたい商品であると考えています。
――折しものコロナ禍は、お菓子市場にどのような影響をあたえていますか。
古田 正直、コロナよりも少子化の影響のほうが大きいですね。市場は年々、縮小傾向にありますから、戦略として子どもから大人まで楽しめる商品づくりを考えていく必要があると思います。
――その点、チョコエッグは大人のファンも多い商品です。躍起になって収集に走るマニアも見られますが……。
古田 そうですね、ありがたいことではあります。ただ、過去の商品にネットオークションで高値が付けられているような事態には、行き過ぎではないかとの思いがあるのもまた事実です。おもちゃ欲しさだけにチョコレートは捨ててしまうという人もいるようですが、できればおもちゃもチョコレートもセットで楽しんでほしいなと思っています。あくまで子どもたちが手軽に手に入れられるものであることが大前提なので、短期間で売り切れてしまったシリーズについては再販を検討するなど、そのつど対応しています。