「スキンケア」と聞いて「男の自分には関係ない」と考える方もいるだろう。しかし、スキンケアは、ただ単に見た目をよくするだけではなく、初対面の方からの好感度や、自己肯定感が上がり、ビジネス等の人間関係をよくするなど、さまざまな効果も期待できる行為なのだ。

 ここでは歌手で美容インフルエンサーのmimi氏が執筆し、化粧品開発・製造に約10年従事する植村元氏が監修を務めた『インテリジェンススキンケア ベビーオイル洗顔のススメ』(星海社新書)の一部を抜粋。メンズスキンケアの基礎知識を紹介する。(全2回の1回目/後編を読む)

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頑丈な肌は、綺麗な肌

 あらためて、透明感がある、綺麗な肌の条件をまとめてみましょう。

・キメが細かく整っており、規則的な形で鮮明に刻まれていること。

・角層水分量が豊富で、赤みやシミなどの色むらが少ないこと。

・悪目立ちする毛穴の数が少ないこと。

 そして「正常なキメの状態維持」「多い角層水分量」「毛穴縮小」、このすべてを実現するために重要なのが、肌の新陳代謝を活発にする=ターンオーバーサイクルの正常化と、それによって形成される強固な肌のバリア機能の保持です。

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「綺麗な肌」を考える上で、最大の重要課題とは

 肌のターンオーバーサイクルが正常に行われていれば、肌に水分をとどめておくために必要なセラミドやNMF(天然保湿因子)の産生量は増え、強固な角層細胞が形作られやすくなります。そのため、水分保持能は向上し、肌のキメも整いやすくなります。また、「バリア機能」が正常に機能している=外部からの刺激に対して強い肌、ですので、炎症による毛穴トラブルや赤み、色むらといった肌トラブルも軽減される可能性が高くなるといえるでしょう。

◎「ターンオーバーサイクル」と「バリア機能」が正常な肌の特徴

・角層水分量が増加し、適正量に維持されるため、肌の内部まで光を透過しやすくなるため、内側から輝くような肌になる。

・肌が乾燥しにくくなるため、皮剝けやゴワつきが生じにくくなる。

・肌のキメが整いやすくなる。

・透明感を損なう原因のひとつである、紫外線ダメージによるシミの素(メラニン色素)も、肌の外へと排出されやすくなる。

・外部からの刺激物質の影響を受けにくく、炎症による赤みや肌荒れが生じにくい。

 以上のように、ターンオーバーサイクルとバリア機能の正常化は、「綺麗な肌」を考える上で、唯一にして最大の重要課題であるといっても過言ではないと、私は考えています。むしろ私たちは、肌固有の機能をきちんと果たしている頑丈な肌を、「綺麗である」と認識するように、生物学的に設計されていると、とらえることもできるのかもしれません。