メンズの肌は、実は女性よりも繊細!?
ターンオーバーサイクルとバリア機能が正常に機能している肌が、「綺麗な肌」として認識される、という点については、男女差はないと私自身は考えています。しかし、肌の外観を損なう肌トラブルの原因は、性別によって傾向があることが明らかになっています。
男性の肌に固有の特徴としてあげられるのは、「皮脂分泌」と「日常的なヒゲ剃り」の2点です。
化粧品メーカーのマンダムが行った、約100人の健康な肌の男性を対象にした企業研究によると、女性は額部と鼻部の皮脂量がほぼ等しいのに対し、男性の鼻の皮脂分泌量は、額の2倍ほどの値を示すことが指摘されています。そして、20代以降に急激な皮脂分泌量の低下が起こる女性とは異なり、個人差はあるものの、男性の顔面の皮脂分泌量は、60歳を過ぎても活発であるとされています（*1）。
*1 大西 一禎, 山口あゆみ, 栗山 健一, 辻野 義雄, 藤原 延規（株式会社マンダム中央研 究所）「日本人男性の加齢に伴う顔面皮膚の生理的・形態的変化と自己意識について（第1報）-皮膚基本特性の部位差・季節間変動・加齢変化について-」『日本化粧品技術者会誌』2007年41巻2号p.94-102
男性の肌は女性の肌に比べ、水分蒸散量は2倍以上
また、ポーラ化成工業が20代～50代男性45名を対象に行った調査によると、男性の肌は女性の肌に比べ、水分蒸散量は2倍以上多く、水分量が1／2以下、角層細胞の面積は1割程度小さい、「バリア機能低下」の傾向があることを示しています。さらに女性に比べて、皮脂量が約3倍程度多く、皮脂量と水分蒸散量に相関性が確認されたことから、過剰な皮脂によって、肌のバリア機能が低下している可能性が示されています（*2）。
*2 2009年3月18日 株式会社ポーラ・オルビスホールディングス ニュースリリース「ポーラ化成が男性の肌を徹底調査 おでこのテカリは洗顔後4時間後から大幅に増加する など」
男性はスキンケア用品を選ぶときに、「ベタつかない」ことを重視する傾向にあると思いますが、こうした皮脂トラブルに対する忌避感が根底にあるのかもしれません。
