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お守りからの中から出てきたのは………

 Aさんの前でご遺族がそのお財布の中身を見ると、家族の写真や子どもの写真が出てきたそうです。

「あーよかったな。これで無事にお返しできた」

 Aさんも安心したのですが、気になっていたことが1つありました。それはお財布に付いていたお守りです。

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 すると、娘さんが「このお守りの中身を見たい」と言ったそうです。

 しかし、ご遺族はお守りの中身を見るとバチが当たるのではないかと考え、お守りを開けないでおこうとしました。

 お守りが気になっていたAさんは、ご遺族にこんな提案をしたそうです。

「娘さんがああまでおっしゃるので、もしよければ私の知り合いに蓮久寺の三木住職という方がいるので、その方の許可を得て、その方に中身を見てもらいませんか?」

 そうして私のお寺にAさんと女性のご遺族がいらっしゃいました。

©文藝春秋/撮影・宮崎慎之輔

 私は一連のお話をお聞きした後、「わかりました。一度、中身を見てみましょう」ということで、お経をあげてお守りの中身を取り出しました。

 すると、そこにはなんと、この女性が亡くなられる前に書かれた遺書がありました。一通は自分の両親に向けて。一通は、ご主人に向けて。もう一通は娘さんに向けて書かれた遺書でした。この遺書はまるで自分が突然死ぬかもしれないと予想していたかのように、こう書かれていました。

 “自分が死んだ時には悲しまないでね”

  “私がいなくても頑張ってね”

 詳しい内容はお話しできませんが、そういったことが書かれていました。

※写真はイメージ ©iStock.com

 この出来事があって以降、Aさんの自宅では一切の怪奇現象がなくなったそうです。

 一見、これは怪奇現象に思えましたが、実は事故で亡くなった女性が「どうか遺書を届けてほしい」そういう思いで起こされたものだったのかもしれません。

 怪奇現象=怖いと思われがちですが、もしかすると、亡くなられた方の何かメッセージが隠されているのかもしれません。

©文藝春秋/撮影・宮崎慎之輔

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