犬が朝吠えた場所で昼に交通事故が…
あくる日の朝、普段とは違うコースを散歩していたところ、ある場所でワンワンと吠え始めたそうなのです。
「このワンちゃんが吠えるということは、何かこの場所であったのではないか」
男性は帰宅すると、さっきワンちゃんが吠えた場所で何か起こっていないか、インターネットで調べましたが、何も出てこなかったそうです。
「あ、やっぱり偶然か。もしかするとあの時は、人間が亡くなったあとの匂いをたまたま嗅ぎわけただけかな」
ところがその日の夕刊を見ると、ワンちゃんが朝吠えた場所で交通事故があり、1人の男性が亡くなったと書かれていたのです。
「もしかすると、このワンちゃんには特殊な能力があるのではないか。このワンちゃんが吠えると、その場所で何かがあるのかもしれない」
しかし男性は、「それを人に説明したところで多分信じてもらえないだろう」と、気にすることなくワンちゃんと過ごされていたそうです。
「最近、この声を出すなぁ。もしかすると、自分の体に悪いところがあるのかもしれない」
そんなある時、やたらとこのワンちゃんが男性に「クゥンクゥン」と、吠えるのではなく泣き声のような声を出し、悲しげな顔を向けるそうです。
「最近、この声を出すなぁ。もしかすると、自分の体に悪いところがあるのかもしれない」
男性はなんとなく不安になって、病院に行かれたそうです。すると、残念ながら大きな病気が発見されてしまいました。
「あぁ、そうか。自分の飼い犬はこのことを知らせてくれたんだな」
その後、男性はワンちゃんを一時的にペットホテルに預けて入院されました。
ひと月ほどで治療が終わり、退院してワンちゃんと再会すると、とても喜んでいたそうです。犬とはいえ、こんなに喜んでくれる家族がいてくれることが、その男性にはとても支えになりました。
「治療を進めながら、このワンちゃんと家で過ごそう」
しかし、男性は大きな不安を抱えながら日々を過ごされていたそうです。
「もしも自分が先に死んでしまったら、この犬はどうなるのだろう。このワンちゃん一匹では生きていけないし、仮にホテルに預けたとしても、いつかお金が尽きたらこのワンちゃんはどうなるのだろう」
しばらく経ったある日、またワンちゃんが男性を見て、悲しそうにクンクン鳴きだしたそうです。