「過去9年守ってきた世界最強の名前、それは大韓民国です!」
韓国テレビ地上波キー局SBSのチョン・ウヨンキャスターがこう叫んだのは、7月28日午後8時過ぎ。東京五輪・フェンシング男子サーブル団体の決勝で韓国チームがイタリアを下し、優勝を決めた瞬間だ。
韓国は、2012年ロンドン五輪の同競技で優勝。続く前回の2016年リオ五輪で男子サーブル団体は行われなかったため、これが9年越しの2連覇となる。またアーチェリー以外の競技で今回初の金メダルとなったこともあり、人々の関心は大きかった。テレビ中継の視聴率は、KBS-2TV、MBC、SBSの3局累計で25.1%に達している。参考までに日本でも大きな話題となった大ヒット韓流ドラマ「愛の不時着」(2019年)は、最高視聴率が23.249%だ。
84%の人が「成功しない」
「東京五輪に対する韓国人の関心度は“歴代最低”」(「ヘラルド経済」2021年7月23日付)。東京五輪開幕当日には、こんなニュースも流れた。調査会社・韓国ギャラップが同月20~22日に行った調査によると、回答者の66%が「東京五輪に関心がない」と回答。「関心がある」は、リオ五輪の60%に対して32%にとどまっている。これは1992年以降で最低の数字だそうだ。さらに東京五輪が「成功する」との回答がわずか7%に対して、「成功しない」は84%に上った。
原因はコロナ禍に加えて、近年の日韓関係悪化が影響を及ぼしたと解釈されている。また前回の低迷も無関心に一役買っているようだ。韓国は2008年北京五輪で金13銀11銅8(計32)、国別順位7位。ロンドン五輪は、金13銀9銅8(計30)で同じく5位。ところがリオ五輪は金9銀3銅9(計21)で、8位に終わった。今回は「金7以上、国別順位10位以内」と、またいっそう控えめな目標を掲げている。
韓国でも前評判が低かった東京五輪。しかしいざ開幕してみれば、選手たちの熱闘はそれなりに連日人々を賑わしている。やはりメディアを盛り上げるドラマには事欠かないようだ。