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整形は魔法ではない

——初めて整形してみてどうでしたか?

 初めての整形だったので、やる前はすごくわくわくしていて、二重になったらこんなメイクもできるとか、あんなこともできるとか、とにかく世界が変わると思っていたんですけど、いざ二重になってみたら思ったほど世界は変わらなかったんです。

 あんな怖い思いして二重にしたのに、こんなもんなのかって思いました。たしかに整形は魔法ではなし、一個変えたところで、すごくかわいくなるかって言われるとそうでもないし。整形の現実を知った感じでした。

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©末永裕樹/文藝春秋

——そこから鼻や口、フェイスラインの整形もしていって。

轟 その頃はがむしゃらに整形しなきゃって思い込んでいました。自分の中の醜いパーツを直していくことで人生が変わるはずって。10年間で1200万円使いました。一時期は、心も体もボロボロでしたね。

脂肪吸引の比較写真

 結局顔を変えても中身は変わっていないんです。整形はあくまでも手段であって目的じゃない。中身も変わらなければいけないってことに気づくまでに結構時間がかかりましたね。

——整形は手段だってことに気づいたのはいつ頃だったんですか?

 それこそYouTubeを始めてからですかね。自分のありのままを発信するって勇気がいることだと思うんですけど、そうやってさらけ出した自分のことを誰かが応援してくれることで、自信に繋がっていきました。

 それこそYouTubeがきっかけでテレビに出させてもらえたり、舞台に立たせてもらえたり、いろんな経験をさせていただきながら生きていく中で、整形の優先度がどんどん低くなっていったんです。気づいたらもう思い詰めたように整形をしなくてもいいやって思えるようになりました。

——いろんな経験が自分の自信につながったということですね。

 そうですね。もちろんコンプレックスはまだまだあるし、ここがもうちょっとこうだったらっていうのはキリがないんですが、そんなことどうでもいいやって思えるくらい、今は充実しているんです。

 YouTubeでも、「こんなにお金かけたのにかわいくなくてかわいそう」とかっていう声をいただいたりとかもするんですけど、それは全く傷つかなくて。そもそもの目的がそこじゃなくて今、いろんな選択肢をいただいているので、それだけでうれしいなと思っています。