橋本 そうですね。普通にその人が好きで見てたから「こういう口癖あるな」とか「こういう表情するんだな」って気付いたのに、全部悪意から入ってるみたいに思われる。困っちゃうよね(笑)。
中野 似顔絵もちょっと特徴的に描かないと成立しないのにね。もちろん自分たちが悪いところもあるんですけど、そういうのが「とがってる」って見られちゃってる。
同期・ウエストランド井口の“嫉妬”
——お二人は、細貝さんと朱美ちゃんのテレビでのブレイクを今どんな風に思ってらっしゃいますか。
中野 あの時のことは、本当によく覚えてなくて。自分たちはあんなことになると全く思ってなかった。だから、結構他人事みたいな感じなんです。でも、あれがなかったら、たぶん今私たちのやってることはもっと理解されてないと思うので、すごくありがたかったですね。
橋本 私も、ありがたいし、楽しかった。ミーハーなんですけど、いろんな芸能人に会えて嬉しかった(笑)。
——嫉妬されたりは?
橋本 同期にウエストランドがいるんですけど、私たちがちょっとテレビに出てた時に聞いたのが、井口(浩之)君が私たちよりも私たちのスケジュールを把握してると(笑)。夜、井口君がテレビ見ながらうたたねしちゃった時「ダメよ~ダメダメ」って聞こえてきて「ウワッ」てとび起きたとか。
中野 ウエストランドは妬み嫉み漫才なので。
——ウエストランドさん、だいぶ早く『笑っていいとも!』にも出てたのに。
中野 とっくに私たちより先に出世してた(笑)。でも、ブレイクして無視されるとかいじめられるとかそういうことはなかったです。自分たちのことで必死だから気付いてなかったのかもしれないけど。
「スマートな笑い」を押し付けていた時期
——「ブレずに自分たちが面白いと思うことをやり続けてる」のを羨ましいと感じている同業者は多いのではないでしょうか。
中野 あんまりうらやましがられないですね(笑)。だって面白ければ、鼻毛とか平気で描くんですよ。ハゲヅラもかぶるし。
はっきり言って、私たち、ダサいって思われてます。「そりゃ、それだけ顔描いたらみんな笑うやろ」っていう。卑怯な手を使ってるって。
——もっとシンプルに笑わせないと、ということでしょうか。
中野 そうなんですよ。生身で行って笑わせないと、という空気がある。
でも、お客さんからしたら、どんな笑いかなんて、芸人のエゴでしかないですよね。笑わせようが笑われようが、お客さんは持って帰る「笑った」という事実は一緒なのに。こっち側で「スマートな笑いじゃない」とか勝手に押し付けてるだけ。
——たしかにそうですね。お客さんにとってはそんなの関係ない。
中野 私たちも最初は下ネタとか、鼻フックとか……鼻におもりつけるんですけど、本当に嫌で。逆だったんですよ。「スマートに笑い取ってかっこよく帰りたい」「尊敬されたい」みたいな。そういうことを考えていた時もありました。
でも、本当につまらないことだなと思って。やっと最近なんですけど、お客さんが笑うことが一番大事だなって分かって。
【続き】「ネタの作り方はAVの企画モノに近い」“ダメよ〜ダメダメ”を生んだ日本エレキテル連合、「狂気の原点」
写真=鈴木七絵/文藝春秋
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