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中国駐大阪総領事館が「萌え画像」大量アップ…26歳オタク外交官を変貌させた“上司粛清”事件

中国駐大阪総領事館が「萌え画像」大量アップ…26歳オタク外交官を変貌させた“上司粛清”事件

中国若手外交官18禁ツイートの真相 #2

2021/08/09
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本当の「口嫌体正直」は誰だ?

 さて、察しのいい人ならすでにお気づきかもしれない。実はオタク外交官が公式アカウントで「無双」していた時期は、何振良の在任期および、何振良が失踪して総領事が不在になっていた時期(副総領事の張玉萍が業務を代行していた時期)とほぼ一致するのだ。

 特に『神戸新聞』でも報じられた美少女タンタンのクリアファイルは、何振良が許可して作らせた可能性が高い(何振良は2020年6月30日に王子動物園を訪問している)。アニメオタクの若手を公式アカウントで遊ばせ、むしろそれを総領事館の草の根外交イベントに活用していくような方針は、いわば「何振良路線」の産物だったのではないか。

2020年6月30日、王子動物園を訪問してタンタンの美少女イラストを手渡す「パンダ外交」をおこなう何振良・前総領事(左)。ちなみに彼の失踪前に報じられた最後の仕事もパンダ関連イベントだった。

 しかし、「粛清」された前任者の許可のもとで萌えイラストを描きまくっていたオタク外交官に対して、おそらく2021年6月末に赴任した新総領事の薛剣は眉をひそめた。

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 ゆえにオタク外交官はツイート内容がどんどんお堅くなり、それでもプレッシャーを掛けられたので激烈な政治ツイートを作文したものの、「地」が出てしまい逆に恥をかいた──。状況証拠からの推理だが、アカウントの突然の変貌の背後には、ひょっとしてこのような事情があったのではないだろうか。

 過去のツイートを見る限り、駐大阪総領事館のオタク外交官が、新疆問題やコロナの起源問題に本気で関心を持っているとは思えない。彼が本当にやりたいことは、半放任状態で公式アカウントをユルく運営しながらアズレンや原神とコラボしたり、自作のイラストをネットにアップしたりすることだろうと思うのだ。

 新任の上司に睨まれて戦狼外交の戦列に加わり、しょうもない対米批判を書き込むお役所仕事に従事しつつ、内心では二次元美少女とたわむれていたい26歳オタク外交官。実は他ならぬ彼自身こそ【口嫌体正直】の忠実な実践者だという気もしないではない。

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