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この娘スケボー好きなのかな!?

「実は小心者のところがあって、頑張れ! って言われると逆にそれがプレッシャーになっちゃうような子なんです。緊張がすごいから、それが嫌でたまらなくて泣きそうになりながら滑ってるなんてこともありましたね(笑)。だから昔はこの子スケボー好きなのかな!? って思ったこともありましたよ。でも富山ではズバ抜けて上手かったし、成長するにつれていろいろなところに行くようになって、切磋琢磨できる仲間と出会ってからはどんどん自由に滑るようになっていったんです」

銅メダルの中山楓奈選手 ©︎Naoya Sanuki/JMPA

 ただそれでもまだあがり症なところがあるため、高橋さんは五輪前に彼女にこのように声かけしたという。

「メダルなんかどうでもいいから、頑張るよりも楽しめと言ったんです。頑張れと言われても気にするなと。それよりもあのパークでどんな楽しい滑りができるかってことだけを考えろと言いました。無観客だったのが、彼女にとってすごく良かったんだと思います。もし今回観客が入っていたら、外国人選手がもっと盛り上がって、順位も変わっていた可能性もあると思います」

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2019年5月の全日本選手権での中山選手。まだこの頃は極度の緊張からか求められた握手に焦点が合っていない様子 ©Yoshio Yoshida

 そう言われると、確かに筆者は泣きそうな表情でコンテストに出る彼女を以前見かけたことがある。ただそれも世界大会に出るまでに成長したことで、いつしか笑顔を見せるようになっていった。

 どんなスポーツにおいてもメンタル面の充実は欠かせない。

 ただひたすらに笑顔を見せてきた西矢と、自身の成長により笑顔を振りまくようになった中山。もしかしたらメダリストの2人の勝因は楽しそうに見える笑顔にあるのかもしれない。