昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

北関東ナゾの“県庁所在地の駅”「宇都宮」には何がある? 餃子の街の“新幹線がどうしてココを通っているのか問題”

2021/08/16

genre : ライフ, 歴史, , 社会

 自宅の近くに餃子の王将がある。都市部ならどの駅前にも餃子の王将かそれに類する店があるものだから、それほど自慢することでもない。だが、最寄り駅から家までにあるほぼ唯一の飲食店が餃子の王将なのだ。それも家から歩いて2分くらいの場所だから、必然的に餃子を食べる機会が増える。特別に好きなわけでもないのに、もう餃子漬けの毎日である。

 今回訪れたのは、そんな餃子と深ーい関係のある街だ(餃子の王将とはあまり関係ありません)。そう、宇都宮である。

 

餃子の街「宇都宮」には何がある?

 宇都宮は栃木県の県庁所在地で、そのターミナルが宇都宮駅だ。餃子の街として名高いが、それ以外にも首都圏でJR線を利用している人ならば、「宇都宮線」という路線の名前で耳にしたことがあるだろう。湘南新宿ラインや上野東京ラインを間に挟んで横浜・小田原方面にまで乗り入れているこの宇都宮線はだいたい小金井駅か、そして宇都宮駅が終点である。

今回の路線図。「宇都宮」は新幹線なら東京から1時間足らずだ

 そんなわけで、宇都宮線に乗って……と言いたいところだが、それだと東京からは2時間はかかるので、楽をしようと新幹線に乗って宇都宮までやってきた。新幹線なら東京から1時間足らず。夢の超特急は近距離の利用でも意外と威力を発揮するのだ。

新幹線と在来線の位置には「セオリー」がある

 新幹線でやってきた宇都宮駅は、ちょっと変わった構造をしている。新幹線が高架3階、在来線が地上1階、改札口などを含むコンコースが新幹線と在来線に挟まれた2階部分という構造は特に珍しくない。変わっているのは、新幹線が在来線の西側にある、ということだ。

 ふつう、新幹線の線路とホームは街の古くからの市街地とは離れた場所に設けられる。在来線が先行して通っており、その脇に後から乗り入れるようにして新幹線がやってくる。そのとき、すでに市街地に面しては立派な駅舎ができているから、後発の新幹線はスペースにいくぶんの余裕がある市街地の反対側にホームをつくるのだ。たとえば名古屋駅、静岡駅、仙台駅などを思い浮かべてみればわかるだろう。

「宇都宮」“新在逆転”のナゾ

 ところが、宇都宮駅はこれが逆転しているのだ。

 新幹線で宇都宮駅にやってくればすぐにわかる。新幹線のホームから階段を降りて改札口を抜けると、すぐに西側にペデストリアンデッキに通じる出入り口。その先の大通りを進めば宇都宮の中心市街地に出る。反対に、東側には在来線の改札口があって、駅ビルの通路を抜けていくと東口への通路だ。

 
 

 この新在逆転のナゾ、地図を見ても深まるばかりである。新幹線の線路は宇都宮駅の前後を含めてほぼまっすぐに南北に走る。ところが、在来線の宇都宮線(東北本線)は大きくカーブをしながら宇都宮駅を経由する。宇都宮駅においては、まるで新幹線が先行して主役を張っているかのような構造をしているのだ。これはどうしてなのだろうか。