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北関東ナゾの“県庁所在地の駅”「宇都宮」には何がある? 餃子の街の“新幹線がどうしてココを通っているのか問題”

2021/08/16

genre : ライフ, 歴史, , 社会

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「宇都宮といえば、やっぱり餃子なのである」

 その答えを出す前に、すこし宇都宮駅のまわりを歩いてみよう。東西ふたつの出口のうち、まずは市街地に近い西口からだ。

 宇都宮駅の西口には、大きなペデストリアンデッキが広がっている。デッキからは周囲のビルに直接通じていて、下にはバス乗り場やらタクシー乗り場やらおなじみのものがひと揃い。まあ、県都のターミナルとしてはごく標準的な駅前広場といっていい。

 
 
 

 宇都宮らしいものはないかと、このペデストリアンデッキをうろうろする。すると、駅舎に面して森山欽司先生の胸像が置かれていた。大平内閣で運輸大臣を務めた政治家だ。わざわざ語るまでもない、よくある地元政治家のあれこれである。

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 そしてもうひとつ、もっと目立つところにジス・イズ・宇都宮。餃子の像が建っていた。ミロのビーナスをモチーフに、ビーナスが餃子の皮に包まれたいわば餃子のビーナス像。彫刻家の西松鉱二さんがデザインしたシロモノだ。宇都宮が特産の大谷石を使っているあたりも、宇都宮が餃子を誇っていることがよく伝わってくる。宇都宮といえば、やっぱり餃子なのである。

 

 そんな餃子の像を眺めつつ、ペデストリアンデッキの上から駅とは反対側を望む。すると、まっすぐに大きな道が伸びている。駅前の目抜き通りというヤツだ。6車線道路という規模はさすが県庁所在地。少し先では田川という川を渡る。道沿いには大きくはないが小さくもないビルが延々と建ち並び、その先の市街地へと続いてゆく。

 
 

 餃子の街・宇都宮を代表する宇都宮みんみんの本店もこの大通りから少し裏に入ったところにあるし、宇都宮市の中核たる二荒山神社も大通り沿いだ。この大通りから北に行けば栃木県庁、南に行けば宇都宮市役所。二荒山神社から大通りを跨いでバンバ通り・御橋通りを抜けていけば古き宇都宮の中核だった宇都宮城だ。宇都宮のあれこれは、この駅前の大通りを背骨として構成されている。

 
 

 そしてこの大通りの少し南側を東西に走っているのがオリオン通りだ。約500mに及ぶアーケード街で、南北に交差する商店街とともに宇都宮の中心繁華街となっている。そのオリオン通りの終点にあるのが、宇都宮のもうひとつのターミナル、東武宇都宮駅である。