実は、記者はアプリをインストールした時に自己流で女性化を試みていた。我ながら出来は悪くないと思えたのだが、髪の長さ以外はオリジナルの要素が強く、女性化の実感がわかない。首から上の坐りも悪く、不自然さがぬぐえない写真になってしまった。
どうすれば可愛く自然なカコジョ写真を作ることができるのだろうか。在宅のアーマー氏に教えを乞うことにした。
記者が挑戦! 在宅のアーマー流「可愛い自分の作り方」
カコジョへの道は、まずは加工用の写真を自撮りすることから始まるという。たかが自撮りと思うなかれ、実はここにも様々な「テクニック」が必要なのだという。
「まず、照明が顔に当たって、影を作らないようにします。カメラは斜め上から見下ろすように。男性は肩幅が広いので少し体を斜めにすると良いです。それと、メガネは外したほうが良いです」
そういいながら在宅のアーマー氏は手慣れた様子で自撮りをする。記者も言われたとおりに自撮りを試みるが上手く撮影できない。
「特に男性は自撮りの機会が少ない方が多いので、最初は苦戦します。でも一週間ぐらい練習を続けていれば自然な写真が撮れるようになりますよ」
記者も在宅のアーマー氏に直接指導を受け、励まされながら自撮りを続けた結果、ようやく及第点の写真を撮ることができた。
さて、自撮りの次はいよいよ写真の加工が始まる。ここで活躍するのが前日にダウンロードした「FaceApp」だ。
「まずは顔を若返らせます。加工の機能はいくつかのカテゴリーに分かれています。『年齢』というカテゴリーでは、子どもから老人まで顔の年齢を変えることができます。私は『若返り』という項目をよく使いますが、Yさんはそこまでの年齢ではないので『子ども』か『10代』を選んでみてください」
記者は試しに『子ども』を選択してみた。すると、ほうれい線やヒゲの剃り跡が綺麗に消え、青春時代のあの時の自分が150%増しぐらいで蘇った。
「次は女性化です。『性別』のカテゴリーから『女性化』を選んでください。『女性化』は2種類ありますが、どちらでも構いません」
在宅のアーマー氏がよく使うという『女性化2』を試してみる。すると、画面の少年は一瞬にして美少女へと変身した。
予想に反して、自分が可愛く変身したという実感はなかった。今画面に映っている少女と自分は切り離された存在のように思えた。在宅のアーマー氏は、この「別人のような感覚」こそがカコジョの面白さにつながっているという。
「自分が可愛くなって嬉しい、ではないんです。自分の意図した通りに加工できることが面白いのです。自分の顔をキャンパスにして、絵を描いていくような感覚でしょうか。出来上がった作品は、いわば『作品』ですね」