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「カワイイは作れた」アラサー男性記者が美女に変身したテクニック《2万3000回リツイートされた“美少女写真”の真相》

なぜか母親に似る…カコジョの不思議な現象

 カコジョに対しては手軽に美しい女性の写真を作ることができる反面、ただ顔を入れ替えただけではないか、という意見もある。しかし、様々な自撮り写真で加工を繰り返していると、ベースの顔が引き継がれていることを実感する事例が必ず出てくるという。

加工後の在宅のアーマー氏。さすがの腕前だ

「代表的なのは、加工した写真が家族に似る、というケースがよくあることですね。若い女性に加工してみたら自分の娘に似た写真が出来上がったり、若返らせないで女性化させると自分の母親に似るケースもある。なので、自分は絶対に若返りをしてから女性化しますね。母親に似ると複雑な気分になりますから」

 在宅のアーマー氏はそう言って笑った。取材の場では、同席した男性カメラマンも自分の顔写真を加工していたのだが、出来上がった作品を見て、「確かに妹そっくりな仕上がりになった……」とこぼした。

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「それから楽しいのは、他人のそら似もあることですね。以前、街中を歩いていたら、自分が女性化した時の写真と雰囲気が似た人を見かけたことがあるんです。『あっ!俺だ!』って(笑)。とても驚きました」

 確かにそんなことがあれば思わず振り向いてしまう。新手のドッペルゲンガーに出会ったような気分になるだろう。ただし相手の女性は、こちらの驚いている理由が全くわからないだろうが……。

可愛いは更新される「1回で終わらせるのはもったいない」

 一通り「加工」を終えた後、再び、在宅のアーマー氏に話を聞いた。冒頭に紹介したTwitterの投稿が話題になってから、メディアからの取材が増えたという。

「テレビで紹介されてからは『カコジョを始めてみました』という方が急増しました。興味のない人には無理強いしませんが、自分がメディアに出ることで少しでも興味を持ってくれる人が増えてくれるとうれしいです」

取材でお邪魔した「こぐま屋珈琲店」(東京・府中本町)のかわいいメロンソーダとともに「カコジョ」。大変美味しくいただきました ©︎文藝春秋

 そして、「興味をもって試してみるなら、1回で終わらせるのはもったいない」と氏は続けた。

「カコジョの面白さは昨日よりも今日、今日よりも明日の作品が上手くなっていく実感を得られることです。自撮りの方法を模索したり、様々な加工を試したりする中で、日々自分の成長を感じることができます。1回試して終わりではなく、続けていけばもっと面白さを感じることができるはずです。自分も初期の作品と今の作品を比べてみても全然仕上がりが違うんですよ」

 今、SNSで「カコジョ」もしくは「カコダン」と検索すると、様々なカコジョ、カコダンの作品がヒットする。それぞれ加工の仕方、使用するアプリは異なるようだ。しかし自分の作品を作り上げ、共有するのを楽しんでいる点は共通しているように感じた。

©️文藝春秋

 自宅で過ごすことが多いこの夏、カコジョデビューを果たすのも一興だろう。人生が変わる“出会い”が待っているかもしれない。

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