昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

起訴された罪は66件、求刑は懲役370年…AV界の帝王・村西とおるが驚きのあまり脱糞した“法廷”での体験

『全裸監督の修羅場学』より #1

2021/08/27

 男優兼カメラマンとして自らアダルトビデオに出演し、業界黎明期から数多くの作品を世に届け続けてきた村西とおる氏。2019年にはNetflixオリジナルドラマ『全裸監督』のモデルに選ばれるなど、その生き様は人並外れた刺激にあふれている。

 ここでは、同氏が半生を振り返って執筆した『全裸監督の修羅場学』(徳間書店)の一部を抜粋。ハワイでスカイセックスの撮影を行う最中に逮捕された際のエピソードを紹介する。(全2回の1回目/後編を読む)

 

◆◆◆

人の役割の第一は、何よりも自分の命を生ききること

 米国の裁判では、本裁判がはじまる前に予審があります。検察と弁護人双方がこれから行われる裁判について、お互いの主張をあらかじめぶつけ合い、持っているカードを見せ合います。それにより裁判長は裁判のおおよそのスケジュールを決めて、本裁判に臨みます。

 いくつかある容疑の中に「ビザの詐取」というものがありました。撮影目的での入国でありながら、偽って観光ビザで入国したということが「ビザの詐取」にあたるというのが検察側のいい分でした。

「ビザの詐取」は連邦法違反の重罪です。よって裁判はハワイ州の法律で裁かれるのではなく、アメリカ連邦裁判所で審理されることになりました。

 メキシコから数百万人の密入国者が米国に侵入し、労働ビザなしで働いていますが、逮捕されても裁判にかけられることなく国外追放されるだけです。

 不法侵入のパスポート不所持の犯罪者より、正規のパスポートを持って入国し、資格外活動を行った人間の方が、何十倍も罪が重いということなのでした。

 資格外活動といっても、雇用主は米国人ではなく、自分の日本の会社でした。

 米国の雇用や労働者になんの危害を与えたわけでもなく「ビザの詐取」に問われることに釈然としませんでした。