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「製品チェック手順の省略が発覚。上司は公表を待てと言うが…」不正が発覚したとき、絶対に“内部告発”するべき2つの理由

『修羅場のケーススタディ 令和を生き抜く中間管理職のため30問』より#2

2021/08/23
note

 それでも会社が動かなかったら、どうするか。

 会社を動かすべく「ダークサイド・スキル」を発動する他ありません。

 信頼する仲間たちと結託し、全員で直談判に臨むという方法もあるでしょう。それでもダメなら最後の手段として、マスコミにリークするという手もあります。

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 ただ、その結果うまくいったとしても、「出る杭」となったあなたは早晩、会社を去らざるを得ない状況に追い込まれるかもしれません。

 だからこそ、「いつでも辞められる自分」を作っておく必要があるのです。

©iStock.com

「自分には家庭もあるし、今会社を辞めるわけにはいかない」という考えも理解できます。ただ、「本当にこれでいいのか」と違和感を抱えながら働くほうが、よほどつらいことではないでしょうか。

仕事とは、「踏み絵」の連続である

 ビジネスの世界には、今回のケースのような「絶対の正解がない問い」があふれています。そんな時、最後に判断基準となるのは「自分が仕事において一番大事にしているものは何か」という「軸」です。

 もし、自分にとっての軸が、顧客の満足だとするならば、たとえ一時的に窮地に陥るとしても、あくまでその軸に基づいた選択をしなくてはなりません。

 修羅場とは自分にとっての正義とは何か、価値観とは何かが問われる「踏み絵」でもあるのです。

 何か問題が起きた際、自分の信念と照らし合わせて「違う」と思うなら、「絵を踏まない」という選択ができるかが問われます。

 そして、こうした「踏み絵」は、いつ、どんな形であなたの目の前に現れるかわかりません。だからこそ、普段から自分の軸を意識して、それに基づいた仕事をする必要があるのです。

 例えば、顧客を無視した売上追求に走る上司がいたとして、その上司をちゃんと諫めることができるか。普段から「軸」に沿った仕事をしているかどうかが、修羅場でのとっさの判断力を決めるのです。

A.「不正」はいずれバレる。覚悟を決めて正しい行動を。

「製品チェック手順の省略が発覚。上司は公表を待てと言うが…」不正が発覚したとき、絶対に“内部告発”するべき2つの理由

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