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「愛犬家連続殺人犯と親交が…」「5回も死体に出遭った」 稲川淳二が“テレビのいじられキャラ”から、“怪談話の第一人者”へと変異したワケ

「愛犬家連続殺人犯と親交が…」「5回も死体に出遭った」 稲川淳二が“テレビのいじられキャラ”から、“怪談話の第一人者”へと変異したワケ

『藝人春秋』より#1

2021/08/22

source : 文春文庫

genre : エンタメ, 芸能, テレビ・ラジオ, 読書, 働き方

note

稲川さんの奇っ怪な超常体験の数々 

 稲川さんが止め処なく語る、遺体を目撃した話はこれだけではなかった。

 それは事故死体、殺人現場と様々で、いずれもまるで示し合わせたように向こうからやってくる。

 資料に目を落としながら──。

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 十数年前の緑山での話を思い出した時、稲川さんの二面性を最初に認識した脳裏の奥深くの記憶が蘇ってきた。

 今思えば、いつの間にか、ボクは稲川淳二という稀代の怪談の語り部が後に水を汲み上げることになる井戸の縁に立っていたのだろう。相槌を打ちながら身を震わせて、そこにいたのだ……。

 資料には、他にも稲川さんの奇っ怪な超常体験ネタの数々が記されていた。

「3歳の時に電車のホームから線路に落ちてしまい、轢かれる寸前に助けてくれた人がいたが、その恩人のことを誰も覚えていない」

「御巣鷹山に墜落したJAL機の搭乗券を持っていたのに、直前に体調が悪くて乗るのをやめた」

「連続幼女誘拐殺人事件の犯人・宮﨑勤から逮捕直前に手紙をもらった」

「愛犬家連続殺人事件の主犯・関根元と親交があった」

 本人自身の身の毛もよだつような体験の記事を読み進めていくうちに〈なるほど!〉と膝を叩いた。

 来るスタジオの本番では、既にネタとして完成された怪談話だけではなく、本人の個人史、実生活の中にある怪奇話を切り口にするのも、今回のマスクマン的稲川淳二像を知る手がかりになりそうだ──と確信したのだ。

【続きを読む 「ほんとうに子供を殺そうと思いましたからね」 稲川淳二が語った“難病を抱えた次男”と“妻との別居”】

藝人春秋 (文春文庫)

水道橋博士

文藝春秋

2015年4月10日 発売

「愛犬家連続殺人犯と親交が…」「5回も死体に出遭った」 稲川淳二が“テレビのいじられキャラ”から、“怪談話の第一人者”へと変異したワケ

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