「ラファエルさんも、他のユーチューバー同様、契約解除通知をKiiiに送っています。ただ彼はKiiiの株式も保有していますし、なるべく揉めたくはないようで、公表していないんです。ラファエルさんの契約は2021年9月30日までなので、更新せず退所するようです。そのタイミングで退所動画を公開する予定だそうです」
対立を深めるYouTuberとKiiiの関係。現在、退所を巡る話し合いはどうなっているのか、そもそもなぜここまで問題が深刻化してしまったのだろうか――。文春オンラインは渦中にいるYouTuberらに接触し、YouTuber大量退所の真実に迫った。
みんなが高田さんに恩を感じている
取材を始めると、複数のYouTuberらが取材に答えた。彼らは一様に「現状を知ってほしい」という。Kiii所属のYouTuberであるAさんもそのなかの一人だ。Aさんは「Kiiiの対応には不信感しかない」と訴えた。
「高田樹前社長の解任が適切だったのかどうか、僕らにはわかりません。でも、もし高田さんの方が悪かったとしても、Kiiiに所属するクリエイターのほとんどが、高田さんについていきたいという考えでした。多かれ少なかれ、みんなが高田さんに恩を感じているんです。
僕も、動画撮影やSNSへの投稿を毎日続けるなかで、このまま活動を続けていくべきか悩んだことがあったんです。そんな時、社長自ら会いに来て、相談に乗ってくれました。高田さんはビジネスだけでなく、色々な話を聞いてくれるんです。そんな社長が辞めるなら、リスクを取ってでもついていきたいと思ったし、ほかのクリエイターも同じように考えたんだと思います」(同前)
契約解除の話が進まず弁護士に依頼
しかしながら、Kiiiからの退所を表明した35名のYouTuberは、いまだKiiiとの契約を解除できずにいる。手続きに問題はなかったのだろうか。
「クリエイターらはそれぞれ、マネジャーや現場の取り纏め役のリーダーに契約を解除したいと伝えました。しかし『もう少し待って』などと言われ、全く話が進まなかった。それで4月初旬から順次、35名のクリエイターが弁護士に依頼して、Kiiiとの契約解除を交渉してほしいと依頼をしたんです」
同月、その弁護士からKiiiに対してYouTuberらが契約解除を希望している旨を通達。しかし、Kiii側の代理人弁護士からは《契約期間内の退所は認められない》という旨の連絡があったという。