「運営会社の株主かつ取締役であった高田氏が解任されたこと、半数以上の所属クリエイターが退所を申し出ている事実が重要だと思います。それらの事実に照らして、契約の解除事由とされている会社の実質的支配関係が変化し、従前の会社と同一性が失われた又は信用状態に重大な変更が生じた場合と判断できれば解除することが可能です。
従前の会社と同一性が失われたか、信用状態に重大な変更が生じたかの判断にあたっては、高田氏の解任がどのような経緯であったのか、所属クリエイターが退所を申し出た経緯等を精査しつつ、株主関係の変更等も総合的に検討する必要があると考えられます」
Kiiiが主張する契約解除の2つの条件
Kiiiに事実関係について確認したところ、実に41ページにも渡る回答書が届いた。回答書には高田氏の解任理由についての詳細な主張が認められていた。。Kiiiによると、高田氏には《過剰な接待交際費の利用》《在任中の競合会社の無断設立と無断事業移転》《取締役としての競業避止義務違反》《忠実義務違反》《利益相反行為》があったという。
小豆島の漁師はまゆうとレジスタンスが契約を解除したことについては、《今般の合意による契約解除には2点の条件を設けさせて頂いております。1点目は、今回の一連の退所に関する問題に主体的に関わっていないクリエイターであること。そして2点目は、当社が用意する【合意書】にサインをいただける事となります》と説明している。
添付された合意書には《誹謗中傷等の禁止》《退所報告の禁止》などが記載されており、契約解除ができずにいるYouTuberについては、《既に退所報告を行っているクリエイターについては、期日まで退所の報告を行わないという下記の要件を満たす事が出来ませんので、このような形での当社との合意による解除は認めることができません》とした。
《当社としては再三に渡り、問題が解決していない現状において、退所動画の公開/報告を行わないよう弁護士を通じて訴えかけて参りましたが、残念ながら当社の制止を振り切った形で実行されました。また、一部のクリエイターの動画/報告には、当社を中傷する内容を含んでいるものもあり、結果的に当社の企業イメージを大きく損なう結果となっております。当社としても苦渋の決断ではありますが、現在の状況を鑑み、要件を満たしているクリエイターに限り、イレギュラーな対応として、契約期間の途中であっても、合意による契約解除を認める決断を致しました》
KiiiとYouTuberの間には乗り越えられない溝があるようだ。
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8月21日21時~の「文春オンラインTV」で、本件について担当記者が詳しく解説する。