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「俺たちは契約に則って契約解除を申し入れた」

「Kiiiからは、《契約が満了する3ヶ月前に書面を持って契約解除を申し入れなければ、契約解除はできない》という回答が届きました。Kiiiの公式サイトには《いずれのクリエイターについても当社との契約の有効期間中であり、正式な契約終了の合意に至っておらず、現在、弁護士を通じて問題の解決に向けて協議しております》と掲載されていますが、解決に向けての話し合いなんてまったく進んでいません。僕たちはいまだに宙ぶらりんの状態なんですよ」(同前)

 芸能事務所と同様に、事務所に所属する際にYouTuberらは契約を結んでいる。そこには契約解除に関する要項もあり、原則としてYouTuberらはそれを順守しなければならない。別のYouTuber、Bさんによると「俺たちは契約に則って契約解除を申し入れた」と主張する。

マキヒカ(本人のYouTubeチャンネルより)

「俺らがKiiiと交わした契約書には、《契約解除》の欄に《財産状態、信用状態または事業内容に重大な変更が生じ、本契約の債務の履行が困難と認められる客観的な事情が生じたとき》と書かれているんです。俺たちクリエイター側からすると、高田さんの解任は納得できないし、しかもそのあとに社長になった中栄一喜さんとも今川龍一さんとも信頼関係なんてない。《信用状態》はかなり変わっています。だから、契約解除は当たり前にできると思っていたんです」

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 YouTuberらがKiiiと交わしている契約書には、確認できる限りで契約時期によって2種類ある。Bさんが持つ契約書はより新しいもので、古いバージョンには《契約解除》の欄に《甲(Kiii)の株主構成、役員の変動等により会社の実質的支配関係が変化し、従前の会社との同一性が失われたと乙が判断した場合》と記載されている。

「こんなやり方をするんだったら敵対するしかない」

 しかしYouTuberらの申し入れをKiii側が受け入れることはなく、“泥沼の戦い”に突入してしまったのだ。Bさんが続ける。

「5月13日、こちらの弁護士から『各クリエイターらは有効な解除に基づきKiiiを退所しているという認識ですので、それを前提に行動する』と事務所へ伝えてもらいました。だから俺たちからすると、『Kiiiは辞めた』っていう認識なんですよ。

 もちろんKiiiにはお世話になったし、嫌いになったわけではありません。契約の解除に向けて前向きに話ができれば、今後の案件についても相談していきたいと思っていました。でも、こんなやり方をするんだったら、こっちとしても敵対するしかないっすよね」

今日もGatti(本人のYouTubeチャンネルより)

 この事態を受けて、ある人気YouTuberが「顔出し、実名で取材を受けたい」といってきた。そのYouTubeとは「チャンネルがーどまん」のリーダーであるがーどまんだ。彼は「Kiiiとの信頼関係は完全に崩れた」と神妙な面持ちでこう語りはじめた。