2016年にも複数の女性を弄んだとするスキャンダルが取り沙汰されたが、今回はトラブルでは終わらなかった。 

 8月16日、K-POPの人気ボーイズグループ「EXO」の元メンバー、クリス(中国名、ウーイーファン、30)が中国・北京検察に性的暴行容疑で逮捕されたことが報じられると、韓国のネット界では極刑説も飛び交って騒然となった。 

 クリスは中国・広州市出身。10歳の時にカナダに移住しカナダ国籍を取得していたが、中国内での犯罪は中国で裁かれるため、外国籍であることは無関係となる。 

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元EXOのクリス ©getty

 ことの発端は7月18日、中国のインフルエンサーの19歳の女性がSNS上でクリスの性的暴行について告発したことから始まった。

 自身も含め、夜遅い時間に「キャスティングのために面接しよう」「ミニファンミーティングを開こう」などと複数の女性を呼び出し、飲酒させた後、性的暴行を働いたと訴えた。未成年者は7人ほど含まれていたという。告発した女性は、「24時間以内に芸能界引退の発表をしなければ懲役10年に至る証拠を公開する」とし、波紋はあっという間に広がった。

 告発した女性はクリスから口止め料として50万元(約840万円)を渡されたといい、クリスのマネジャーに脅されて口をつぐんでいたが告発を決心、受け取った50万元も返済中だと伝えられた。 

華々しくデビューし、順風満帆に見えたが…

 クリスは、カナダ在住だった2007年、韓国の大手音楽事務所「SMエンターテインメント(以下SM社)」のグローバルオーディションに合格し、12年、ボーイズグループ「EXO」のメンバーとしてデビューした。「EXO」は韓国と中国で活動するグループに分かれており、クリスは中国で活動する「EXO-M(中国の公用語のマンダリンからMとつけられた)」のリーダーだった。 

元EXOのクリス ©getty

 3カ月にも及ぶ大々的なプロモーションの後華々しくデビューし、順風満帆かに見えた矢先の2014年5月、クリスは突然、SM社を相手に契約を無効とする訴訟を起こした。「専属契約効力の不存在確認訴訟」をソウル中央地方裁判所に提起したが、「SM社は寝耳に水だったようで、問い合わせても『現在確認中』を繰り返すばかりだった」と韓国紙の芸能担当記者は当時を振り返る。 

「SM社は東方神起との契約トラブル以降、標準契約期間といわれる7年契約をアーティストと交しており、報酬などにも配慮していたといわれていましたから、何があったのか。

 もっともクリスの場合は、それまでも、舞台から突然いなくなったり、スケジュールのある日に連絡がとれなくなったりとトラブル続きといわれていましたから、報酬に不満があったからではないか、などと囁かれていました」