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『プデュ48』の大惨事とは大違い…大健闘の日本勢

 一方、番組開始前からその実力水準が危惧されていたのは日本勢だ。3年前の『プデュ48』では、AKB48グループの参加者が酷評されまくる大惨事が生じたからだ。だが、その心配は杞憂に終わった。全体の水準は高く、トップ9候補者は中国勢よりも多い9人だった。

 早い段階で実力を見せつけたのは、事前にさほど注目されていなかった川口ゆりなだ。彼女は、オスカープロモーションの国民的美少女コンテストを経て芸能界入りし、2018年までX21というアイドルグループで活動していた。現在もオスカーに公式ページが残されている。

 彼女はヴォーカルが非常に安定していた。ダンスをしていてもまったく歌が乱れることがなかった(※動画のライトグリーンの衣装)。なお、このときいっしょだった参加者のひとりは、「Nizi Project」の東京予選(2次審査)に参加していた岸田莉里花だ(※動画のイエローの衣装)。

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 トップ9にはふたりが入った。ひとりが9位になった桑原彩菜だ。参加者の最年少である14歳(2006年生まれ)の彼女は、3年前まで広島のローカルアイドル・革命少女のメンバーとして活動していた。

 注目すべきは、彼女がアクターズスクール広島の出身であることだ。日本では稀有な実力派グループであるPerfumeやBABYMETALのメンバーも、ここから輩出された。彼女に対する高い評価は、同スクールのトレーニングがたしかなものであることを感じさせた(※動画で髪を結わえていない方)。

 そして番組第2回まででもっとも注目された存在が、17歳の江崎ひかるだ。エイベックス・アーティストアカデミーに所属する彼女は、韓国と中国の精鋭を退けてトップ9の1位となった。シグナル曲のMVでもセンターに選ばれており、いまのところ絶賛され続けている。

 そのパフォーマンスは非常に安定しており、1位となるのもうなずける水準だ。彼女の特徴は、ダンスとラップに長けているところだ。体幹がしっかりしていて動きにブレがなく、リズム感も秀逸だ(※動画のグレータンクトップの衣装)。

暫定1位の江崎ひかる(※動画のグレータンクトップの衣装)


 その存在感は、他の日本勢とは大きく異なる。日本のアイドルグループの“匂い”がまったく感じられないからだ。おそらくそれはK-POPの浸透によるものだ。KARAと少女時代が日本デビューした年の小学1年生が、11年後の現在は17歳になっている。

 世界共通言語としてのK-POP──江崎ひかるの卓越した能力はそれを強く感じさせた。

後編「ハロプロ、48グループの不在…日中韓オーディション番組でわかった「アイドル戦国時代」の儚さ《『ガルプラ』でも韓国勢リード》」に続く