日韓中から33人ずつ99人の参加者を募って始まった、K-POPオーディション番組『Girls Planet 999 : 少女祭典』(以下『GP999』)。
前編では、中国と日本の参加者のパフォーマンスを確認した。日韓それぞれの影響が感じられた中国勢のお披露目パフォーマンスに対し、日本勢には日本アイドルの“匂い”をまったく感じさせない存在も登場した。
東アジアで盛り上がるK-POPオーディション番組は、どこに向かい、なにを目指すのか──。(全2回の2回目/前編から続く)
オーディション番組経験のある「猛者」が次々登場
韓国勢の水準は日中の参加者よりもさらに高かった。トップ9候補者は、33人中16人と半数近くにもなった。
強烈なインパクトを残したのは、ボーイズグループ・NCT127の「英雄(Kick It)」を披露したソ・ヨンウンだ(※動画開始時に立ち位置が向かって左)。強い眼力を軸とした挑発的なそのパフォーマンスは、強い女性像を表す“ガールクラッシュ”コンセプトだ。
日中ではまださほど見られないガールクラッシュは、BLACKPINKのブレイク以降にK-POPで主流となりつつあるスタイルだ。それは旧いジェンダー観に基づいた疑似恋愛対象としての“アイドル”から一歩先に進んだことを示唆している。
韓国勢では、すでにデビューして活動を続けている参加者も注目された。たとえば、FANATICSの現役メンバーであるキム・ドアや、Cherry Bulletのキム・ボラがそうだ。
キム・ドアは、14歳だった3年前に『PRODUCE 48』(以下『プデュ~』)に参加し、30人にまで残ったこともある(最終23位)。翌2019年にデビューしたが、その活動は決して順調とは言えない。新型コロナウイルスが大きな障害となっているからだ。メンバー内でもグループ解散の話が出ているとキム・ドアは涙し、『GP999』出演が最後のチャンスだと語った(※動画の上下ブラックの衣装)。
デビュー済みでもっともキャリアが長い参加者は、CLCのチェ・ユジンだ。『GP999』2回目までの放送は、さまざまな点においてこのユジンを中心に組み立てられている。