彼女は2015年にデビューし、すでに7年近くのキャリアとなる。だが7年目はK-POPにおける大きな関門でもある。韓国では公正取引委員会が芸能人の複数年契約を7年までとの指針を出しており、その期限に達するとグループの解散やメンバーの脱退が相次ぐ。これが「K-POP・7年の壁」だ。
ユジンも番組内で、「会社からもうグループの活動はしないと聞かされた」と、CLCの活動終了に触れた。運営するCUBEエンタテインメントは、2018年に(G)I-DLE、今年はLIGHTSUMと、ガールズグループを立て続けにデビューさせており、大ブレイクしなかったCLCの解散は避けられない情勢だ。
オーディション番組の「セーフティネット化」
チェ・ユジンやキム・ドアなど、現役やデビュー経験のある参加者は、韓国勢が9人、日本勢が6人、中国勢が8人と、全体で23人にものぼる。チェ・ユジンほどのキャリアを持つ参加者は他におらず、ほとんどがチャンスを掴むために参加している。
過去に他のオーディション番組に挑戦した者も多い。韓国勢は2人、中国勢は13人、そして日本勢は2人だ。たとえば中国のスー・ルイチーは、2018年に『創造101』で25位、2020年に『創造営2020』で11位と上位に食い込んだが、ともにデビューを逃した。彼女は成功を目指してサバイバルを渡り歩いている。
オーディション番組は、参加者の能力を伸ばしたり、ショウケースであったりするのと同時に、再チャレンジを可能とするセーフティネットでもある。その成功例は、IZ*ONEのリーダーとして活躍したクォン・ウンビだろう。
彼女は2014年にYe-Aというグループでデビューしたものの鳴かず飛ばずに終わり、2018年にIZ*ONEで2度目のデビューを果たして成功した。今月にはソロデビューも予定されており、オーディション番組が大きな転機となった。
そうした状況は、プロ野球やサッカーで活躍の場を求めて移籍するアスリートを連想させる。スポーツでは、実力を発揮できない選手が移籍して花開くケースが珍しくない。K-POPオーディション番組も単に参加者を競争させるだけでなく、人材の流動性を高めて業界を活性化する機能を果たしている。