最小単位は日韓中3人1組の「セル」
8月13日に2回目の放送が終わったばかりの『ガルプラ』は、『PRODUCE~』(以下『プデュ』)シリーズと似ているものの、そのコンセプトは明確に異なっている。番組冒頭から、日韓中3人1組のグループ=「セル」を最小単位とするからだ。
サバイバルも、セルをひとつの単位とすると説明された。よって、実力のある個人でもセルが失敗すれば脱落するリスクがあり、逆に実力が劣っていても生き残る可能性もある。これは異文化コミュニケーション能力=チームワークをより重視するというメッセージでもあるのだろう。
セルの3人は、韓国語を中心にコミュニケーションを図る。すでにK-POPでデビューしているメンバーや練習生も少なくなく、流暢に韓国語を操る日本と中国の参加者も散見される。
その様子は、3年前の『プデュ48』とはかなり異なる。当時、参加したAKB48グループのメンバーのほとんどは韓国語を話せなかった。加えて、日本のポピュラー文化しか知らない参加者も多かったため、実力主義のK-POPに面食らっていた。結果、さまざまなフェイズで異文化コミュニケーション(ときには衝突)が発生し、それこそがいちばんのハイライトとも言えるほどだった。
だが、『ガルプラ』は(いまのところ)そうした光景が見られない。日中の参加者の多くはK-POPの知識を有し、覚悟を持って参加した様子がうかがえる。そこからは、この3年間のK-POPのさらなる浸透が感じられた。
目を覆いたくなるような実力の参加者はほとんど見当たらず
番組第1回では参加者のお披露目がおこなわれた。同じ国の参加者同士で10組ずつ、計30組がステージでパフォーマンスを繰り広げた。
これは参加者の自己紹介であるのと同時に、新たなセルを優先的に編成できる上位9人を決めるためでもある。選ぶのは、「K-POPマスター」と呼ばれる少女時代のメンバーや振り付け師などだ。
こうして始まったパフォーマンスは、極めて高い水準だった。最終的に、セル編成権が与えられるトップ9の候補者は、99人中31人(31%)にもなった。これは、厳しいトレーナーがいかなかったためでもあるが、全体的にレベルがかなり高いこともその要因だ。
逆に、目を覆いたくなるような参加者はほとんど見当たらなかった。もちろん実力が乏しい者もいるが、オーディションが進む過程で十分に成長する見込みがある。過去の日韓中の『プデュ』全9シーズンを踏まえても、参加者のレベルはもっとも高いかもしれない。