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大阪から1時間…座って通勤民垂涎の“ナゾの終着駅”「野洲」には何がある? 走っていた“電車じゃないもの”って?

2021/08/23

genre : ライフ, 歴史, , 社会

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 京都駅からは新快速に乗って約30分、大阪からは約1時間。首都圏でいえばなんとなく八王子あたりをイメージしてもらえれば、距離感はつかめるのではないかと思う。なので、京都や大阪で働いている人にとっても充分に通勤圏内といっていい。むしろ野洲駅は始発の新快速が運転される最も京阪神に近い駅だから、是が非でも座って通勤したい諸氏には絶好の居住地である。

 滋賀県は新快速パワーによって京阪神への通勤圏内として飛躍的に人口を増やしてきた地域だ。その中でも始発列車のある野洲駅周辺は最高の環境だ。そんな座って通勤民垂涎の駅、いったい何があるのだろうか。

 

野洲駅に漂う“らしさ”

 もう3度目の訪問といっておきながら「何があるのか」などと振りかぶるのはいささか恥ずかしい。知っているだろとツッコミを頂戴するかもしれない。が、数年前に訪問した駅に何があるのかは意外と覚えていない。なので、初めて訪れるつもりで、新鮮な気持ちで野洲駅にやってきた。

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 野洲駅はどこにでもあるような橋上駅舎の駅だ。滋賀県内の駅はとにかく橋上駅舎が多く、どれも似たような雰囲気だから、続けて訪れているとともすればどれがどれだか区別がつかなくなってくる。

 ただ、どの駅も探せば個性はあるもので、野洲駅も外に出てみると他の駅とは明らかに違う“らしさ”を見せてくれる。

 橋上駅舎なので出入り口は東西に2つ。ホームの上からも駅の周りに背丈の高いマンションがあることがわかるが、まずは西側に出てみよう。琵琶湖のある方面だ(琵琶湖はかなり遠いのでもちろん見えない)。すごく広いというわけではないがそこそこの規模のロータリーがあって、その周囲には小さいながらもチェーン店から個人経営までいくつかの飲食店がある。中にはスナックのような店がいくつか入居している雑居ビルもあるようだ。

 
 

 さらに、営業しているのかどうかはわからなかったが、古ぼけたビジネスホテルの看板も見える。昔ながらの駅前旅館がルーツなのか、高度経済成長期以降の産物なのか。